研究課題/領域番号 |
09281212
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
磯部 光章 信州大学, 医学部・第1内科, 助教授 (80176263)
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研究分担者 |
今村 浩 信州大学, 医学部・附属病院, 助手 (60283264)
矢崎 善一 信州大学, 医学部・附属病院, 助手 (50283263)
竹中 寛彰 信州大学, 医学部・第1内科, 助手 (10283251)
関口 守衛 信州大学, 医学部・第1内科, 教授 (70075232)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 拒絶反応 / 動脈硬化 / 接着分子 / 遺伝子治療 / 細胞周期調節遺伝子 / 内膜肥厚 / HVJ-リポソーム / 心臓移植 |
研究概要 |
【目的】慢性拒絶とも呼ばれる移植心冠動脈内膜肥厚は長期予後を決定する重要な要素である。病態には不明な点が多く予防法がない。細胞周期調節遺伝子は血管内膜肥厚において重要な役割を果たしていることが諸種のモデルで示されているが、移植心における検討はなされていない。細胞周期調節遺伝子の発現と、アンチセンス遺伝子導入による内膜肥厚進展予防効果について検討した。 【方法】BALB/cマウスの心臓を摘出してHVJ-liposome法によりFITCラベルしたODNを導入しマウスに異所性に移植した。さらに、細胞周期調節遺伝子であるCDK2 kinaseに対するアンチセンスODNを導入した心臓を同様に移植した(n=9)。遺伝子導入しない群(n=6)と、センスcdk 2 kinase ODN(n=7)、スクランブルODN(n=6)の導入群を比較とした。移植片生着延長のためFK506を投与し、第30日に摘出した。肥厚内膜の内弾性板内占拠率を定量化し、VCAM-1とCDK2 kinaseのmRNA組織内発現を検討した。 【結果】FITCラベルしたODNは移植後14日まで移植心内に広く発現した。無導入群、センス群、スクランブル群では冠動脈内膜肥厚(62.3±20.9%,70.5±20.8%,60.6±20.6%)を認めたのに対し、アンチセンス導入ではその進展は著明に制御(14.3±5.3%)された。血管内膜でのVCAM-1の発現は無導入群、スクランブル群、センス群で著しく、アンチセンス群では抑制されていた。CDK2 kinase、PDGFmRNA発現も同様であった。 【結論】移植心冠動脈硬化における血管平滑筋増殖には細胞周期調節遺伝子が関与しており、アンチセンスCDK2 ODNの導入はその進展予防に効果がある。
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