研究課題/領域番号 |
09281215
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
鈴木 宏治 三重大学, 医学部, 教授 (70077808)
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研究分担者 |
武谷 浩之 三重大学, 医学部, 助手 (60222105)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 動脈硬化 / 血管内皮細胞 / 血液凝固 / アデノシン / アデノシン受容体 / アデノシントランスポータ / 組織因子 / トロンビン |
研究概要 |
動脈硬化の発生・進展には、TNF-αなどのサイトカインやトロンビン、酸化LDLなどによる内皮障害が引き金になることが示唆されている。最近、申請者らは、TNF-αなどによる内皮障害がアデノシンによって阻止されることを見いだした。そこで、本研究では、アデノシン受容体を介する血管内皮の保護機構とその破綻に基づく動脈硬化の発生と進展のメカニズムを解明するため、障害内皮細胞に発現する動脈硬化関連性の細胞膜因子と分泌性因子の変動に及ぼすアデノシンの影響を解析した。 その結果、アデノシンは、凝固関連因子に対しては培養臍帯静脈内皮細胞(HUVECs)上のトロンボモジュリンの発現を促進し、TNF-αやトロンビン刺激による組織因子の発現を濃度依存性に阻害した。また、線溶関連因子に対してはt-PAの発現を促進し、PAI-1の発現を阻害した。次にTNF-αやトロンビン刺激によるHUVECs上での組織因子の発現に対して、4種のアデノシン受容体(AR)サブタイプ(A1AR,A2aAR,A2bAR,A3AR)のうち、どのサブタイプが関与するかを個々のサブタイプに特異的なアゴニストおよびアンタゴニストを用いて検討した。その結果、TNF-α刺激による組織因子の発現制御はA2aARおよびA3ARを介して行われ、A1ARは組織因子の発現をむしろ促進することが示唆された。一方、接着因子の発現に対するアデノシンの影響を検討したところ、アデノシンはTNF-α刺激によるVCAM-1の発現を阻害した。現在、引き続き、アデノシンのトロンビン受容体や血管収縮・弛緩因子(エンドセリン、TXA_2、PGI_2、NO、CNP)などの動脈硬化関連因子とそれらの遺伝子の発現量に及ぼす検討を行っている。
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