研究課題/領域番号 |
09281220
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中西 真人 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (10172355)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 遺伝子治療 / センダイウイルス / 核移行シグナル |
研究概要 |
本研究では、分裂していない血管内皮細胞に遺伝子を効率よく導入し、遺伝子を長期間安定に発現させるシステムの開発を目的とし、DNAを核の内部に効率よく導入して環状DNAレプリコンとして染色体外で安定に存在させる技術の開発と、細胞質で安定に遺伝子発現を続けるRNAレプリコンの開発を行った。 本年度の研究では、まず巨大分子を核にターゲットする活性をもったシグナルとしてSV40・T抗原由来のペプチドを同定し、次にこのNLSシグナルを頭部(直径50nm)に発現しているラムダファージを作成することに成功した。このファージを細胞質に導入すると60分以内に核内に集積することが観察され、DNAを核内にターゲッティングできることがわかった。さらに1週間後に染色体外DNAを抽出し解析することにより、ファージDNAは環状DNAとして複製していることが明らかになった。 このようにDNAを使った遺伝子発現はかならず核まで到達させなければ機能しないのでどうしても複雑なデリバリーシステムを作成する必要があるが、発現調節をそれほど要しないのであればセンダイウイルスのように細胞質で安定に遺伝子発現する系を使う工夫をしたほうが賢明である。我々は既に、世界で初めてcDNAを使って組み換えセンダイウイルスを作ることに成功しているが、本研究ではさらにこのシステムを改良し、ワクチニアウイルスを使わずに組み換えRNAレプリコンを作成してルシフェラーゼ遺伝子を発現させることに成功した。さらに現在、センダイウイルスの構造遺伝子をマーカー遺伝子に置き換えた組換えゲノムを作成がほぼ終了しており、これを使って自ら複製しながら細胞質で安定に遺伝子発現するRNAレプリコンの開発を進める予定である。
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