研究課題/領域番号 |
09281239
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
森崎 隆幸 国立循環器病センター研究所, バイオサイエンス部, 部長 (30174410)
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研究分担者 |
向井 常博 佐賀医科大学, 医学部・生化学, 教授 (40108741)
日高 京子 国立循環器病センター研究所, バイオサイエンス部, 室員 (00216681)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 平滑筋 / 分化 / 転写調節 / 遺伝子発現 / MEF2 |
研究概要 |
本年度はMEF2遺伝子群の役割をより明らかにする目的で種々の細胞に分化可能な胚性細胞ならびに平滑筋細胞に発現するMEF2遺伝子群を検討した。マウス胚性腫瘍細胞(P19)に発現するMEF2遺伝子群のうち、十分に解析の行われていないMef2b遺伝子について機能解析を行い、また、マウス平滑筋細胞の分化に伴うMef2遺伝子群の発現を検討した。Mef2a、Mef2c、Mef2dは分化後に発現の増加をみた。一方、マウスMef2bはヒトとは異なり未分化細胞にむしろ優位に発現していた。そこでマウスMef2bのcDNAならびにゲノムDNAを単離し、ヒトMEF2Bと構造、機能を比較した。ヒト/マウス間に塩基配列上の相同性はあるが、発現パターンは異なり、マウスMef2bは胚性細胞に選択的スプライシングの存在を認め、DNA結合能において他のMEF2と異なる性質がみられた。次に、マウス平滑筋の分化過程におけるMef2遺伝子群と平滑筋分化マーカー遺伝子の発現を検討した。各Mef2遺伝子(Mef2a、2b、2c、2d)の転写産物(RNA)の量的・質的変化を検討したところ、Mef2a・Mef2c・Mef2dで発現量の変化は著明でなかったが、Mef2a・Mef2dでスプライシングの変化があり、その変化は心筋や骨格筋とは異なっていた。Mef2bは発現が低く、分化途中で一過性の発現をみるのみであった。Mef2bの機能をより良く理解するために、ノックアウトマウスを作製した。MEF2B欠損マウスはMEF2C欠損マウスと異なり、胎生致死的ではなく、現在解析中である。4種類のマウスMef2遺伝子は骨格筋、心筋のみならず、平滑筋でも発現し、平滑筋特異的遺伝子の発現に関わると考えられる。平滑筋の分化過程ではMEF2遺伝子の量的変化は著明でなかったが、スプライシングなど転写後調節の変化があり、さらに検討が必要と思われる。
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