研究課題/領域番号 |
09304008
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
幾何学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
深谷 賢治 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30165261)
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研究分担者 |
古田 幹雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50181459)
小野 薫 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20204232)
太田 啓史 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50223839)
中島 啓 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00201666)
河野 明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00093237)
丸山 正樹 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50025459)
加藤 毅 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20273427)
清水 勇二 京都大学, 大学院・理学研究科, 講師 (80187468)
太田 啓史 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (31400070)
砂田 利一 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20022741)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
28,000千円 (直接経費: 28,000千円)
2000年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1999年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1998年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1997年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | シンプレクティック幾何 / フレアーホモロジー / ホモトピー代数 / モジュライ空間 / ミラー対称性 / 概正則曲線 / 倉西写像 / ラグランジュ部分多様体 / シンプレクティック幾何学 / 対応 / ハミルトン系 / 軌道体 / テータ関数 / アーベル多様体 / 非可換トーラス / フレア-ホモロジー / 鏡映対称性 / 非可換幾何学 / A無限大カテゴリー / ヤンミルズ方程式 / テ-タ関数 / マスロフ指数 |
研究概要 |
深谷・小野・太田はY.G.Ohとともに、ラグランジュ部分多様体のフレアーホモロジーの定義のための障害理論を建設し、これに基づいて、ラグランジュ部分多様体のホモトピー代数学的変形の理論、また、ラグランジュ部分多様体の有理ホモトピー型の量子変形の理論をつくった。これについての論文は、2000年12月に350ページの第一稿が完成したが、その後も、ホモトピー代数学の部分や、古典的な有理ホモトピー型との関係のよりいっそうの明確化などの点で進展中であり、さらに100ページ程度の内容が付け加えられる予定である。これは、深谷・小野を含む多くの研究者の研究によって数学的な基礎付けができたGromov-Witten不変量の理論の、ラグランジュ部分多様体がある場合の対応物で、弦理論の言葉を使うと、Gromov-Witten不変量が閉じた弦に対応するのに対して開いた弦に対応する。ラグランジュ部分多様体があると、理論の基礎付けにはより高度な枠組みが必要とされ、ホモトピー代数学を同時に進展させる必要があった。また、モジュライ空間が概複素構造を持たないことから符号の決定は微妙かつ困難な問題であり、さらに、理論をホモロジーをとる前のチェインのレベルで構成するため、解析的な困難も大きかった。 この研究の中で、場の量子論の種々の枠組みと20世紀後半の幾何学の諸概念の関係に対する理解が深まった。たとえば、ファイアマン図を用いて、場の理論の非線形方程式の解の展開式を得るやり方が、倉西による非線形方程式を用いたモジュライ空間の局所理論(変形理論)やそのホモトピー代数との関係についての研究と深い関係を有することが明らかになった。中島は、モジュライ空間を用いて高度な代数構造を作る、という本研究の中心課題を別の面から推進した。中島の研究では、モジュライ空間は重要な性質をもつ中心的な例の場合が取り上げられ、その場合が具体的に決定されるレベルまで深く研究され、新しい代数構造の著しく重要な例が作られた。 古田らは、モジュライ空間の研究と安定ホモトピー論や一般コホモロジー論を結びつけることを推進した。この視点はすでに古田による4次元多様体の交叉形式についての10/8定理の証明で現れたものであるが、より進展しホモロジー球面の不変量や、4次元多様体の新しい不変量、後者を用いたK3曲面の連結和への曲面の埋め込みの研究への応用など著しい成果を上げている。
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