研究課題/領域番号 |
09304025
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
福井 康雄 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30135298)
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研究分担者 |
土橋 一仁 東京学芸大学, 教育学部, 助手 (20237176)
水野 亮 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80212231)
小川 英夫 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20022717)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
30,000千円 (直接経費: 30,000千円)
1998年度: 10,100千円 (直接経費: 10,100千円)
1997年度: 19,900千円 (直接経費: 19,900千円)
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キーワード | 大マゼラン雲 / 巨大分子雲 / 巨大星団 / 電波天文学 / 星間分子 / 星団 |
研究概要 |
前年度の成果をうけて、さらに約2倍感度の高いの観測を行なって、前の結果を確認することに重点をおいた。その結果、以下の事項を確認できた。 検出した分子雲のサイズ、線幅、質量の平均値はそれぞれ、45パーセク、7.4km/S、5×10^5太陽質量であり、銀河系内の分子雲の平均値とほぼ同じである。また、本計画の主目的である分子雲の質量スペクトルは、質量の-1.5乗に比例することがわかった。これは、銀河系内の分子雲について求められている値とよく一致している。さらに、両銀河での分子雲の最大質量は2×10^6太陽質量程度と、ほぼ等しいことが明らかになった。これらのことは、大マゼラン雲では、分子雲の質量が銀河系と類似しているにもかかわらず、銀河系には見られない巨大星団を形成していることを意味している。一方、大マゼラン雲ではCO光度が銀河系と比較して3倍程度に低いことがわかった。これは、CO-H_2比が銀河系と比較して3倍程度少ないことを示している。 これらの結果は、巨大星団の起源を考えるうえで重要なものであり、今後の理論的研究の指針を与える。特に今回の結果を、巨大星団の一つであるR136領域の星の分布の性質、紫外線強度が高いこと、さらに重元素が約3分の1と少ないこと等を総合すると、巨大星団の形成前駆体と言うべき分子雲の性質について、一定の制約を課すことができる。この時、系内の紫外線の強いへびつかい座領域の性質が参考となると考えられる。
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