研究課題/領域番号 |
09304026
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
中井 直正 国立天文台, 電波天文学研究系, 教授 (80192665)
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研究分担者 |
奥村 幸子 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (20224842)
砂田 和良 国立天文台, 電波天文学研究系, 助手 (90270454)
浮田 信治 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (20184989)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
36,500千円 (直接経費: 36,500千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 18,600千円 (直接経費: 18,600千円)
1997年度: 15,900千円 (直接経費: 15,900千円)
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キーワード | 電波天文学 / 銀河 / 分子ガス / 電波望遠鏡 / 電波分光計 / 星形成 / 分光計 / 分子 / 星間ガス |
研究概要 |
本研究で開発した自己相関型デジタル分光計(512MHz帯域、1024チャネル、2ビットサンプル)を45m電波望遠鏡のマルチビーム受信機に接続して、近傍銀河の大規模2次元サーベイを行った。銀河の特徴的な構造には渦状腕と棒構造があるが、可視光で見た渦状腕には典型的な2本腕のものから4,5本の多渦状腕を持つもの、さらには多数の切れ切れの渦状腕がきつく巻いたもの(flocculent galaxies)まで多様であるが、星形成の母体となる分子ガスの分布との対応はわかっていないのが現状である。それを統計的に調べるため昨年度は特に観測例が少ないflocculent銀河を中心に観測したが、その積み残した銀河を本年度の最初に行った。 その後、主目的である棒状銀河と非棒状銀河の銀河全体の一酸化炭素COのマッピングサーベイ観測を行った。観測した銀河は距離約10Mpc以内にある近傍銀河で傾き角の少ないものを選択した。得られた観測データは昨年までのものと一緒に統計的に処理し、銀河の大局的な構造と合わせて以下のような普遍的な描像が得られた。棒状構造の長半径をRbとして、1.銀河円盤における分子ガスの面密度の半径分布と銀河回転速度には良い相関があり、渦状腕構造が存在する半径のところ(棒状銀河ならばR>Rbの領域)では回転速度が一定であるとともに銀河の外に行くほど指数関数的に面密度が減少する。これは銀河の分子ガス密度の半径分布がガスの粘性によって決まっていることを初めて示したものである。2.棒状銀河のR<Rbの領域では、ガス密度は銀河中心部とR=Rbのところでピークを持つ。これは我々の銀河系と同じガス分布であり、これは銀河系が棒渦巻銀河であることを強く示唆している。これらの成果は公開されるとともに、観測データは銀河の分子ガスのデータベースとして広く世界中に公開される予定である。
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