研究課題/領域番号 |
09304040
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
百瀬 孝昌 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10200354)
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研究分担者 |
若林 知成 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30273428)
志田 忠正 京都大学, 大学院・理学研究科, 名誉教授 (60025484)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
34,500千円 (直接経費: 34,500千円)
1999年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1998年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1997年度: 21,500千円 (直接経費: 21,500千円)
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キーワード | 固体水素 / 量子固体 / レーザー分光 / 赤外分光 / 高分解能分光 / 放射線 / 分子イオン / シュタルク分光 / HD / 位相緩和 / 励起子 / 高分解分光 / ラマン分光 / 緩和 / 分子性結晶 |
研究概要 |
回転量子数J=0のパラ水素だけからなる固体パラ水素は、量子固体として知られているが、その光学線幅は非常に細く、凝縮系では希な超高分解能分光が可能である。本研究ではこの固体水素の超高分解能特性に着目して、パラ水素自身及びその中にドープした不純物、電荷などの基底・励起状態の分光スペクトルの微細構造、周波数変化、スペクトル線形などの解析を行うことにより、量子固体中の励起子の拡がりやバンド状態及びその散乱過程などの解明をおこなった。以下はその成果の一部である。1)固体水素の第1高調波の超高分解能レーザー分光スペクトルの観測及び解析を行い、振動励起子が量子固体内を飛び回ることによって生じる分裂をほぼ定量的に解析することができた。また励起子に及ぼす固体の量子性の影響を解析した。2)固体水素中に捕捉したメタンの振動回転スペクトルの線幅の温度依存性を観測し、振動回転の励起状態の緩和に関する定量的な解析を行った。その結果、極低温では位相緩和が支配的であることが明らかになったが、その温度依存性が古典固体のものとは大きく異なることを明らかにした。また占有数緩和に関しては振動の形に大きく依存することを明らかにした。3)ガンマー線照射した固体水素の赤外スペクトルを観測し、放射線照射によって生成するイオンの近傍の水素分子がイオンの電場によって受ける影響を、定量的に解析することができた。また、外部電場を与えることによってイオンに由来するスペクトルのみを選択的に観測する新規手法を確立した。
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