研究課題/領域番号 |
09304042
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
野田 章 京都大学, 化学研究所, 教授 (20114605)
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研究分担者 |
井上 信 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (90028176)
白井 敏之 京都大学, 化学研究所, 助手 (50252507)
岩下 芳久 京都大学, 化学研究所, 助教授 (00144387)
岡本 宏巳 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (40211809)
瀬戸 誠 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (40243109)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
24,000千円 (直接経費: 24,000千円)
1999年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1998年度: 11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
1997年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | 電子ビーム / デューティーファクター / パルスストレッチャー / 遅いビーム取り出し / 平衡軌道の制御 / 3次共鳴 / 静電セプタム / セプタム電磁石 / パラメトリックX放射 |
研究概要 |
電子蓄積リングKSRに100MeV電子線形加速器の出力ビームを3ターンで入射し、3次共鳴と高周波蹴り出し(RFKO)法を併用した遅い取り出し法により、KSRのリングから約1秒かけて取り出し、ビームのデューティーファクターを高々2X10^<-5>から90%以上にまで高めるKSRストレッチャーモードの設計とそのための遅い取り出し装置の製作を行った。具体的には、初年度の平成9年度には、KSRストレッチャーモードの動作点の決定から始まり、ビームの入・出射方式を確定し、遅い取り出しの第1セプタムである静電セプタムの設計・製作を行い、この静電セプタムの高圧電源も購入した。2年次の平成10年度には第2セプタムを構成するセプタム電磁石の設計・製作を行った。その際、KSRリングには10^<-9>Torr以上の超高真空が要求されることを考慮して、セプタムコイルは真空の外に出る構造を採用した。最終年度の今年度は、平成10年度に製作したセプタム電磁石の漏洩磁場の測定を遂行し、測定の結果、漏れ磁場は極めて良くセプタムコイルとその外側に貼り付けた磁場吸収用の鉄剤で抑えられており、漏れ磁場が周回ビームのライフに影響を与える効果は無視し得るぐらい小さいことが判明した。このセプタム電磁石をすでに製作済みの静電セプタムと併せて、KSRリングへの組み込みを行い、ベーキング後の真空度は10^<-9>Torr台の良いところに達している。この条件で、静電セプタムの高圧印加テストも遂行し、ビームの衝突のない条件では、8mmのギャップに70kV/cmの電場が実現できていることが確認されている。現在までのビームテストで、ストレッチャーモードの動作点で数十秒のビームライフが実現しており、RFKOによる有効なベータトロン振動の振幅の増大も確認されている。今後、静電セプタムとセプタム電磁石をへて、リング外へ導かれたビームをシンチレーター等のパルス検出器で計測し、ビームの取り出し効率、取り出しビームの時間構造等の定量的測定に進む予定である。
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