研究課題/領域番号 |
09304054
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地球化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
河村 公隆 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (70201449)
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研究分担者 |
渡辺 興亜 国立極地研究所, 教授 (60111861)
中塚 武 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (60242880)
大河内 直彦 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (00281832)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
38,400千円 (直接経費: 38,400千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 34,800千円 (直接経費: 34,800千円)
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キーワード | グリーンランドアイスコア / 南極アイスコア / 脂肪酸 / 低分子ジカルボン酸 / PAH / 人為起源有機物 / 成層圏オゾン / 大気酸化能力 / 有機物 / 炭化水素 / 大気輸送 / 大気環境変化 / 微量分析 / 脂質 / オゾンホール / 海洋生物 / 地球温暖化 / アイスコア / グリーンランド / ジカルボン酸 / アゼライン酸 / 大気海洋相互作用 / 温暖化 / 陸上植物 / 湿暖期 |
研究概要 |
本研究では、グリーンランド(Site-J)で採取した氷床コア中に生物起源の脂肪酸を検索し、炭素数7から32の脂肪酸を検出した。海洋生物起源の脂肪酸(C_<12>-C_<18>)の濃度は、1930-1950年代に高く1970年代にいったん減少した後、1980年代に増加することがわかった。濃度増加が認められた時代は、温暖な時期に相当しており、この時期には海氷の後退と低気圧活動の活発化によって海水表面からの大気への物質輸送が強化されたものと考えられる。また、シュウ酸(炭素数2のジカルボン酸)から炭素数11までのジカルボン酸を検出した。ジカルボン酸の炭素数分布の特徴は、コハク酸(C_4)がほとんどの試料で優位を示したことであったが、19世紀以前は優位でなかったアゼライン酸(C_9)が20世紀になって急激な濃度増加をし、1940年代に大きなピークを示した。アゼライン酸は生物起源の不飽和脂肪酸の光化学反応によって選択的に生成される有機物であることから、この結果は、海洋生物由来の有機物の大気への寄与がこの時期に大きく増加したことを示すとともに、それらが大気中で光化学的に酸化されたことを意味する。 南極H15アイスコア中にUCM炭化水素やPAHを検出したことにより、人為起源物質が南極氷床まで大気輸送され、保存されていることが明らかとなった。これらの濃度は1900年以降増加しており、この結果はグリーンランドアイスコアの傾向と一致した。このことから、1900年代以降、全球的に大気中の人為起源物質が増加したことが示唆された。不飽和脂肪酸や低分子ジカルボン酸の組成比から推定された大気の酸化能力は、過去350年間において大きく変動したと考えられる。アゼライン酸とその前駆体である不飽和脂肪酸の濃度比は、1970年代以降急激に増加しており、南極における対流圏の光化学的酸化能力が、1970年代以降、成層圏オゾン濃度の現象に対応して増大している可能性が示唆された。
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