研究課題/領域番号 |
09304062
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山内 脩 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70029643)
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研究分担者 |
高荷 昌子 金沢大学, 薬学部, 講師 (40019667)
廣田 俊 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90283457)
小谷 明 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60143913)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
28,000千円 (直接経費: 28,000千円)
1999年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1998年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1997年度: 19,000千円 (直接経費: 19,000千円)
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キーワード | 分子間相互作用 / 金属イオン-芳香環相互作用 / 芳香環スタッキング / フェニールアラニンヒドロキシラーゼ / ガラクト-スオキシダーゼ / ヨウ素 / プラストシアニン / 金属タンパク質間相互作用 / ガラストースオキシダーゼ / 酸化還元反応 / インドール / フェノキシルラジカル / 電子移動反応 / ペプチドが関与する水素結合 / 非共有性相互作用 / 水素結合 / ストップトフロー法 / プテリン補酵素 / リシンペプチド / 共鳴ラマンスペクトル / 甲状腺ホルモン / X線結晶構造解析 / 三元金属錯体 / ラッカーゼ |
研究概要 |
[1]補酵素含有金属酵素の反応過程とメカニズムを明らかにするため、中心金属イオンとの酸化還元反応、ラジカル生成に着目して、次の諸点に焦点を絞って金属イオン近傍の芳香環の挙動とその影響を種々の実験データより総合的に追及した:1)配位圏における芳香環の存在様式と分子間の弱い相互作用、2)金属イオン-芳香環結合様式、3)配位圏における酸化還元反応、ラジカル生成、および機能発現、4)反応メカニズムの解明と化学反応系の構築。 [2]金属イオンによる芳香環認識場を構築し、新しくデザインした芳香環含有配位子と金属イオンとの結合様式、芳香環-芳香環のスタッキング相互作用を明らかにし、金属イオンに配位したフェノール環あるいは金属イオン近傍に存在するプテリン、インドール環、ヨウ素化フェノール基などの特異性構造の特性を通して、金属イオンと芳香環との結合と芳香環の反応性の関連を明らかにした。 [3]金属錯体を金属タンパク質へと拡張して、酸性アミノ酸あるいは芳香族アミノ酸残基側鎖が関与する諸反応を明らかにし、金属イオン周辺での芳香環の挙動と金属タンパク質における芳香環ないし極性基間の相互作用が中心金属イオンに及ぼす影響を解明した。金属イオンを含む生体系における特異的分子間相互作用を、低分子化学系を用いて錯体の配位圏近傍での一般的現象として捉え、金属タンパク質に適用して、新しい機能錯体化学の端緒を開くことができた。 [4]以上のように金属イオンが示す反応場および情報発信源としての性質を活用して、生体関連金属錯体の構造と非共有性相互作用の詳細な研究を行い、錯体化学がそれまでに扱っていなかった配位圏近傍での新しい化学を開拓すると共に、この成果を金属タンパク質の研究へと応用して、相互作用の存在とこれに基づく諸現象を低分子系から金属タンパク質まではじめて普遍的に確立できた。
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