研究課題/領域番号 |
09305010
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機械材料・材料力学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
城野 政弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20029094)
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研究分担者 |
植松 美彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80273580)
菅田 淳 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60162913)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
29,400千円 (直接経費: 29,400千円)
1999年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1997年度: 22,900千円 (直接経費: 22,900千円)
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キーワード | 疲労強度 / 疲労き裂進展 / 眉間はく離き裂進展 / 樹脂基複合材料 / 金属基複合材料 / 一方向けい素鋼板 / 微視的観察 / すべり変形 / き裂開閉口 / 微少き裂 / 層間はく離き裂進展 / FRP / き裂開閉口挙動 |
研究概要 |
先進複合材料である熱可塑性樹脂PEEKを簿材とするCFRPより非対称梁試験片を作成し、473K環境でモードIとIIの混合モードクリープ眉間はく離き裂進展試験を行った。その結果、き裂進展速度da/dtをエネルギ開放率で評価した場合、混合モード下ではモードI下に比較して進展速度が加速することが判明した。混合モード下では、モードI成分によるクリープ変形域の拡大は高い炭素繊維と直角方向であるため、その拡大が炭素繊維により拘束されるが、モードII成分による拡大方向は炭素繊維と平行であり拘束が生じない。混合モード下のき裂進展速度は、クリープJ積分で評価できる。また、数種類の金属基複合材料から作成した小型曲げ試験片を用いて疲労試験を行い、微小疲労き裂の発生挙動と初期進展挙動について検討した。その結果、溶製法により作られた金属基複合材料では、強化剤の種類によらず、強化材と母材の界面強度が弱いため、き裂は界面にて発生することが判明した。これに対し、粉末冶金法による金属基複合材料では界面強度が高いために、強化材と母材の変形の不整合によって、界面近傍の母材中で発生し、疲労き裂進展抵抗も高いことが判明した。 一方、微視的なき裂進展機構の検討に関しては、ほぼ単結晶材料のき裂進展挙動が観察できると考えられる一方向性けい素鋼板を用いて疲労き裂先端のすべり変形を原子間力顕微鏡より観察することにより、モードIと混合モード型き裂進展の機構について考察を行った。疲労き裂先端で生じるすべり変形は、必ずしも連続的でなく離散的であることが明らかになるとともに、除荷時と負荷時で異なるすべり系が作動することも確認された。き裂先端近傍領域のすべり変形を定量評価することにより、疲労き裂は離散的なき裂先端近傍のすべりにより徐々に開口し、前サイクルのき裂先端に達した後、新たなすべりを発生することで進展する機構が明らかとなった。
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