研究課題/領域番号 |
09305026
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
早川 尚夫 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60189636)
|
研究分担者 |
赤池 宏之 名古屋大学, 先端技術共同研究センター, 助手 (20273287)
井上 真澄 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (00203258)
藤巻 朗 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (20183931)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
36,400千円 (直接経費: 36,400千円)
1998年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1997年度: 31,900千円 (直接経費: 31,900千円)
|
キーワード | 超伝導体 / NbN / ジョセフソン接合 / オーバーダンプ特性 / 10K動作 / プラズマ窒化障壁 / 高IcRn積 / オーバーダンプ型接合 / 均一性 / 臨界電流密度 / 局在準位 / 高臨界電流密度 |
研究概要 |
本研究の目的は、10K動作単一磁束量子(SFQ)超伝導集積回路の基本素子となるジョセフソン接合素子の開発である。この接合には、10Kにおいてオーバーダンプ型特性を示すこと、及び高いIcRn積を持つこと(Ic:接合の臨界電流値、Rn:接合抵抗)が求められる。そこで、我々は、新しい接合として、プラズマ窒化NbNx障壁を持つNbNジョセフソン接合を提案し、その電気的特性を評価した。我々が得た結論は以下の通りである。 1. 10Kで0.6mVと大きいIcRn積を持つオーバーダンプ型接合を実現できた。 2. チップ内での64個の接合直列回路を用いてIcのばらつきを評価したところ、標準偏差1σが2.9%以内となった。また、run-to-runによる臨界電流密度Jcのばらつきは1σが14%以内となった。このことから、本接合は集積回路へ応用可能な均一性及び再現性を有していることがわかった。 3. Jcは数10A/cm^2から数10kA/cm^2の範囲で得られた。 4. 接合の伝導機構について検討した。その結果、プラズマ窒化NbNx障壁が局在準位を含んでいること、及び、準粒子がこの局在準位を介して両NbN電極間をトンネルして伝導すること、接合が超伝導体-常伝導体-絶縁体-常伝導体-超伝導体(SNINS)接合として振る舞っていることがわかった。 5. 接合特性が下部電極NbNの結晶性及びプラズマ窒化条件に強く依存することがわかった。 6. NbNx障壁中の局在準位密度を制御することが、接合特性を制御するために不可欠であることがわかった。
|