配分額 *注記 |
35,600千円 (直接経費: 35,600千円)
2000年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1998年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1997年度: 23,400千円 (直接経費: 23,400千円)
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研究概要 |
1923年関東地震による強震動を評価することを目的として研究を行い,以下の成果を得た. 1)微動アレイ観測による地盤構造の推定 昨年度までに関東平野の27地点で微動アレイ観測を実施した.今年度はさらに5地点で微動アレイ観測を行い,地震基盤に至るまでにS波速度構造を推定した. 2)新しい位相速度の逆解析手法の開発 微動や地震記録から得られる表面波の位相速度の逆解析に,大局的最適化手法である焼きなまし法を適用することを試みた.数値実験と実データへ適当した結果,従来の最小2乗法に比べて,より安定した逆解析結果が得られることがわかった. 3)3次元地下構造モデルの構築 前述の微動アレイ探査結果と既存の地下構造データを加えて,関東平野の3次元S波速度構造図の作成を行った.また,差分法による数値計算で行われる地盤の差分格子モデルの作成方法について検討を行い,表面波の分散性に着目した等価なS波速度を表層部分に設定する方法を考案し,その妥当性を確認した.この方法を用いて,シミュレーションのための3次元地下構造モデルの構築を行った.また,人工地震や地質などに基づく関東平野の既存の3次元地下構造図についても同様に差分格子でモデル化した. 4)中小地震による地震波の3次元波動伝播シミュレーション 前述のように作成した3次元堆積層構造モデルを用いて,中規模の浅発地震とやや深発地震による地震波のシミュレーションを行い,観測記録との比較から微動アレイ探査によるモデルが最もよく観測記録を再現することがわかった.また,シミュレーション結果を可視化することにより,やや長周期表面波の伝播と地下構造の関係を明らかにした. 5)関東地震による強震動の評価 1から4で示した研究成果を基にして,3次元地下構造モデルを用いた差分法による1923年関東地震の強震動評価を行った.
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