研究課題/領域番号 |
09305040
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
建築史・意匠
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研究機関 | 宮城学院女子大学 |
研究代表者 |
後藤 久太郎 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (50086104)
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研究分担者 |
伊東 龍一 熊本大学, 工学部, 助教授 (80193530)
吉田 純一 福井工業大学, 工学部, 教授 (40108212)
齋藤 英俊 (斎藤 英俊) 東京国立文化財研究所, 国際文化財保存修復協力センター長 (30271589)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
25,800千円 (直接経費: 25,800千円)
2000年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1998年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
1997年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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キーワード | 近世指図 / 指図の作図技法 / 指図の表現技法 |
研究概要 |
本研究は、まずアンケートによる指図の所在調査を全国約2800機関に対して実施した。大規模なコレクションを有するのは約40機関で、これを中心に、約800点の指図を披見し、その内の30機関が所蔵する約500点について作成年代・基準格子と縮尺・文字・表現内容・色分・紙種などの書誌データ採取・写真撮影を実施した。 その結果、得られた知見は以下の通りである。 1.所蔵先は各自治体の図書館・公民館・資料館か主である。各藩ごとの残存量は、概ね藩政資料全体の量に比例しており、各藩を家格別でみると御三家や外様の有力家など、石高の高い藩ほど残存率が高かった。 2.作図技法・描法については、本研究の代表者である後藤が京大工大頭中井家の指図の分析から明らかにした知見(『中井家文書の研究』1〜10巻(中央公論美術出版1976〜1985年参照)が、大旨諸藩においても共通することが確認できた。すなわち、貼絵図・書絵図の別の存在、基準格子の存在と箆引き・墨引きの別、色分けや建具・柱の表現方法、書き込み等の種類や変遷である。 3.一方、独自の特色をもつ藩も存在した。例えば、中井家の図面は、18世紀中期以降、貼絵図から書絵図に変わるが、九州の武雄鍋島家・島原松平家等では、貼絵図が江戸時代を通じて作り続けられていた。また、岡山池田藩のように独自の指図表現を展開した藩や、比較的古い技法の作図法をもとに、新たな表現法を開発した弘前津軽藩のような例も見いだされるなど、藩ごとの特色、多様性が明らかになった。
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