研究課題/領域番号 |
09305049
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
材料加工・処理
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
新宮 秀夫 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (20026024)
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研究分担者 |
大槻 徴 (大槻 特徴) 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教授 (10026148)
石原 慶一 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (30184550)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
37,700千円 (直接経費: 37,700千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1999年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1998年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1997年度: 25,100千円 (直接経費: 25,100千円)
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キーワード | ナノクリスタル / ナノ構造 / メカニカルアロイング / 層状組織 / 界面反応 / 超微細組織 |
研究概要 |
Ag-Fe多層材料を繰り返し圧延と折りたたみによって作製した。この材料は、数ナノメートルのAgとFeとの層が交互に数十万層重ねられている。この材料に磁場を印加した時の電気抵抗の変化を測定して、巨大磁気抵抗効果(GMR)の発現を実証した。電流を材料の積層面に平行に流した場合のGMRは約8%であるのに対して、積層面に垂直に電流を流した場合には45%のGMRを観測した。この結果は世界で始めてのものである。また、Cu-Feの多層材料についても実験をおこない、GMRの発現する程度の超微細積層材料では、引っ張り強度が約1.5GPaという高い値を示すことが判明した。GMRを発現する層間隔は10ナノメートルから50ナノメートルであり、従来気相からの堆積によって作られた多層構造でのGMR発現が10ナノメートル以下の層厚であることと比較すると、厚さが数倍から10倍程度大きい。このように比較的厚い多層構造での、大きなGMRの発現は新しい発見である。スパッタリング法によって、このような平均膜厚の大きい構造でのGMRを測定した結果、同じ平均膜厚でも、均一な膜厚の場合にはGMRが小さい事が確かめられた。不均一な膜厚によるGMRの大きな値の発現は、全く新しい現象であって、GMR発現の原因解明のために新しい知見を加えるものといえる。繰り返し圧延と折りたたみによるマクロなナノ材料の作成法によるGMRの発現のメカニズムと気相法によるナノ材料との間の物性の差は、以上の通り、ナノ材料の有する特異な物性そのものの解明に大きく貢献するものといえる。
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