研究課題/領域番号 |
09305052
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属生産工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
粟倉 泰弘 京都大学, 工学研究科, 教授 (70109015)
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研究分担者 |
邑瀬 邦明 京都大学, 工学研究科, 助手 (30283633)
田中 功 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (70183861)
松原 英一郎 京都大学, 金属材料研究所, 教授 (90173864)
林 好一 京都大学, 工学研究科, 助手 (20283632)
平藤 哲司 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70208833)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
33,700千円 (直接経費: 33,700千円)
1999年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1998年度: 14,600千円 (直接経費: 14,600千円)
1997年度: 15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
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キーワード | モリブデン合金めっき / 誘起共析型合金めっき / ポリモリブデン酸 / 原子構造解析 / X線回折法 / 因子分析法 / 小角散乱法 / 錯体構造 / 合金電析 / ラマンスペクトル / 誘起共析 / Ni-Mo合金 / 平衡定数 / 錯体生成 / めっき / X線異常散乱 / 因子分析 / クエン酸錯体 / アンモニウムイオン / X線異常散乱法 / ポリモリブデン酸イオン / 合金めっき / 構造解析 / Mo-Niめっき / EXAFS法 |
研究概要 |
5族・6族金属の電析で、これまであまり注目されてこなかった水溶液中の金属錯体構造について、X線異常散乱法・EXAFS法による金属イオンの環境構造解析、吸光分析スペクトル因子分析法による科学種の解析、小角散乱法による錯体の大きさの解析から、溶液中の金属錯体構造の精密な評価を行い、めっき機構を考察した。その結果、MoやWなどの金属と鉄族金属の電析として古くからよく知られ、その機構が明らかでなかった誘起共析型合金電析において、水溶液中の金属錯体構造と電析挙動の関係について重要な知見を得ることができた。錯形成剤であるクエン酸イオンを含まない水溶液中では、MoイオンはポリMo酸イオンを形成し、Niイオンが共存する場合には、Niイオンと共にヘテロMo酸イオンを形成することが分かった。このような大きな金属錯体はクエン酸イオンの添加と共に、クエン酸イオンがNiイオンやMo酸イオンに配位しクエン酸錯体を形成することにより、急速に壊れることを明らかにした。そして、溶液中のMo金属錯体が完全に壊れた状態で、良好なMoNi合金めっきが得られることも明らかになった。これらの結果から、良好なMoNi合金めっきを得るには、Ni錯体だけではなくMo酸イオンの構造も厳密に制御することが重要であることが明らかになった。さらに、これら金属錯体の形状制御と共に、Mo電析にはNi電析が不可欠であることも分かった。すなわち、電析したNiがMoの電析に対して触媒的な役割を演じている可能性も示唆された。さらに、MoイオンやNiイオンを含む溶液の吸光スペクトルおよびラマンスペクトルに因子分析法を適用し、Mo酸の生成定数、Ni錯体の平衡定数の最適化の研究も行った。今後これら最適化された値から予想される液中の化学種の情報から、Mo合金電析最適化の研究をさらに進める予定である。
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