研究課題/領域番号 |
09305064
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
航空宇宙工学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
前野 一夫 千葉大学, 工学部, 助教授 (30133606)
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研究分担者 |
森岡 敏博 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (20302581)
本間 弘樹 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (90009233)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
34,900千円 (直接経費: 34,900千円)
2000年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1999年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1998年度: 11,500千円 (直接経費: 11,500千円)
1997年度: 14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
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キーワード | 衝撃波 / 自由ピストン衝撃波管 / 非平衡放射 / 極超音速流 / 高速紫外分光 / 実在気体力学 / 地球大気圏再突入 / 高温空気 / 大気圏再突入 / サンプル・リターン |
研究概要 |
再突入飛行体の遭遇する状態に対応するマッハ数20から30の強さの衝撃波を千葉大学大学院自然科学研究科熱流体実験室に設置された自由ピストン2段膜衝撃波管により生成し、非平衡発光観測を行った。本研究における発光観測システムに関しては、既存の時間分解画像分光観測システムにより得られる時間・波長・強度を含んだ情報とともに、全放射発光プロファイルの得られる同時観測システムを構築した。本研究期間において次の研究がなされた。 (1)自由ピストン2段膜衝撃波管特性に関する研究: MUSES-Cなどで遭遇する超軌道再突入飛行速度に対応する12km/s付近の衝撃波の生成、かつ、その衝撃波を的確に捉え必要な計測を行うためには、衝撃波管の性能向上と特性の安定化が重要であるため、自由ピストン2段膜衝撃波管の特性に関する実験的・数値解析的研究がなされた。その結果、ピストン圧縮過程および隔膜の破膜時間の効果などについて新しい知見を得ることができた。衝撃波管特性の把握により、データの再現性を向上させるとこができた。 (2)全放射発光と空間分解発光スペクトルの同時観測: 冷却型ICCDカメラを用いた全放射発光観測システムを、既存の時間分解画像分光観測システムと組み合わせることにより、全放射発光と発光スペクトルの同時観測システムを構築した。この観測システムにより、全放射発光と発光スペクトルを空間的に対応させることが可能とり、全放射発光への発光スペクトルの空間的な寄与が明らかになった。衝撃波速度の増加に伴って変化する全放射発光プロファイル(1峰性から2峰性へ)には、試験気体に含まれる不純物からの発光が強く寄与しているという知見を得た。 (3)高純度試験気体による観測: 本研究期間前半の研究によって、強い衝撃波背後の非平衡発光には試験気体中に含まれる不純物からの発光が強い影響を与えている可能性が高いことが明らかとなった。そのため、試験気体の高純度化を目的として、衝撃波管低圧部の改良、高性能真空排気装置および試験気体質量分析計の導入を行い、高純度試験気体(乾燥空気、純窒素)による観測を行った。その結果、不純物の含有率が10分の1程度になりそれ自体の発光強度も減少したが、全放射発光プロファイルに大きな相違は見られず、衝撃波速度の増加に伴う全放射発光プロファイルの変化は空気成分自体から生じる現象であるという知見を得た。 (4)衝撃波管内を伝播する非定常衝撃波の数値解析: 一連の発光観測において、衝撃波管壁に沿って尾を引くような強い発光が観測されている。この管壁近傍での発光現象の理解を目的として、衝撃波管内を伝播する非定常衝撃波について、その構造および背後の境界層、化学非平衡を考慮した二次元ナビエ・ストークス解析を行った。その結果、管壁近傍の発光には非平衡放射による発光が含まれている可能性が明らかになった。
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