研究課題/領域番号 |
09306011
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 秋田県立大学 (1999) 秋田県立農業短期大学 (1997-1998) |
研究代表者 |
小林 好紀 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 教授 (00279506)
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研究分担者 |
川井 安生 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 助手 (80279512)
山内 秀文 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 講師 (90279513)
土井 修一 (土居 修一) 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 教授 (20279508)
則元 京 京都大学, 木質科学研究所, 教授 (20027163)
佐々木 光 Akita Prefectural University, Institute of Wood Technology (50027158)
OHTA Shosuke Akita Prefectural University, Institute of Wood Technology
ITO Ryosuke Akita Prefectural University, Institute of Wood Technology (30310171)
三浦 泉 Akita Prefectural University, Institute of Wood Technology (40279518)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
19,300千円 (直接経費: 19,300千円)
1999年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1998年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1997年度: 12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
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キーワード | 水中貯木 / 水中微生物 / 乾燥性 / 水分透過性 / 組織構造 / 材質劣化 / スギ / 木材乾燥 / 散水貯木 / スギ材 / 水中細菌 |
研究概要 |
木材乾燥の前処理として古くから行われている水中貯木処理が、乾燥性や水分透過性の改善に寄与する理由を科学的に解明し、難乾燥材とされるスギ材の実用的な乾燥前処理技術として利用するために、6年間に及ぶ長期間の研究を行った。得られた結果は以下の通りである。 (1)水中微生物の木材への活性水中貯木過程において、3ヶ月ごとに貯木池より回収したスギ素材丸太内における水中微生物の消長を追跡観察した。その結果、水中および散水貯木の開始とともに、まず辺材含水率が増加し、続いて移行材のそれが増加し、18ヶ月後には心材含水率が約150%近くまで増加し、水中微生物を含んだ貯木池の水分が丸太内部まで浸透したことを意味している。(2)貯木処理開始とともに辺材への水中微生物の侵入が観察された。移行材への浸入は貯木処理開始後2週間で観察され、辺材および移行材へ水中微生物が容易に浸入することが明らかになった。しかし、心材への浸入にはばらつきが見られた。水中貯木期間の長期化に伴って、すなわち、水中微生物の素材丸太中への浸入に伴って、参謀内のデンプン粒の減少、有縁壁孔の崩壊など木材組織に変化が生じた。(3)水中あるいは散水貯木処理期間に比例して、遠心分離機による脱水性の向上が見られた。とくに辺材と心材におけるそれの増加が大きく、含水率増加、組織構造の変化と関連があることが推測された。しかし、繊維方向あるいは放射方向のいずれにおいても吸液量の大きな増加は見られなかった。(4)長期間にわたって水中貯木されたスギ丸太内から7種類の水中微生物が観察され、それらが細胞内容物の消滅あるいは有縁壁孔壁の崩壊に関与している様子が確認された。水中微生物をスギ材にアタックさせると乾燥性が改善されることが明らかになった。とくに3年以上の貯木処理によって乾燥速度が著しく増加した。水中貯木期間の増加に比例して乾燥速度が増加した。とくに、48ヶ月以上の処理によって乾燥日数は約1/2に短縮された。(5)乾燥期間が長くなることによって、材色の変化が観察された。明度が向上するが赤みが減少し、また、黄味が増加した。したがって、長期間の貯木処理はスギ特有の心材色を失うことになる。しかし、長期間の水中貯木処理による強度の低下はほとんど観察されなかった・
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