研究課題/領域番号 |
09306019
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用動物科学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐々木 義之 京都大学, 農学研究科, 教授 (10041013)
|
研究分担者 |
谷口 幸雄 京都大学, 農学研究科, 助手 (10252496)
山田 宣永 (山田 宜久) 京都大学, 農学研究科, 助教授 (40253207)
守屋 和幸 京都大学, 情報学研究科, 教授 (90159195)
三宅 武 京都大学, 農学研究科, 助手 (00271015)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
29,800千円 (直接経費: 29,800千円)
1999年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1998年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1997年度: 18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
|
キーワード | ウシ / 分子遺伝学 / 統計遺伝学 / 脂肪細胞分化 / 発現制御 / 免疫染色 / 主働遺伝子 / Gibbs Sampling法 / 転写制御因子 / クローニング |
研究概要 |
本研究では和牛に特徴的な筋肉内脂肪を中心にウシにおける脂肪蓄積の分子機構の解明を目的に、分子遺伝学的アプローチ並びに統計遺伝学的アプローチの両面から研究を進めた。 分子遺伝学的アプローチでは、脂肪細胞分化および脂肪蓄積の制御に関わる遺伝子のクローニングと発現制御および機能の解析、さらにこれらの遺伝子のウシ筋肉組織内での発現を検出するための方法の検討を行った。子牛と成牛の脂肪組織で発現しているmRNAを比較し、成牛でのみ発現している遺伝子の単離を行った。脂肪前駆細胞に特異的に発現するPref-1について2種類のアイソフォームcDNAを単離した。このPref-1を含め脂肪細胞分化の初期過程のマーカーになると期待されるC/EBPファミリーとPPARγについて組換えタンパク質に対する抗血清を作製し、ウシ筋肉組織内での遺伝子発現を免疫組織化学的方法で検討した。体脂肪調節ホルモン「レプチン」遺伝子を単離し、遺伝子導入実験によりこの遺伝子の発現がC/EBPタンパク質により活性化されることを明らかにした。 統計遺伝学的アプローチでは、Gibbs samplingを用いた混合遺伝モデルのベイズ推定に基づき、量的形質に影響を及ぼす主働遺伝子の検出法について検討を行った。シミュレーション研究の結果、主働遺伝子分散の推定値が有意に0と異なるかどうかで、集団内に主働遺伝子が存在していることを明らかにできることを示した。その方法論を実際の黒毛和種ウシ集団の屠肉性形質記録に応用したところ、脂肪交雑および皮下脂肪厚といった形質で主働遺伝子の存在が示唆され、この方法の有効性を支持する結果となった。 上記のような統計遺伝学および分子遺伝学の双方の成果を踏まえ、これらを融合していくことで新たな育種改良の道か開かれるものと期待される。本科学研究費によってそのような育種法開発の基礎となる多くの知見が得られたものと考えられる。
|