研究課題/領域番号 |
09307008
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 修 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70093044)
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研究分担者 |
渡部 加奈子 (鈴木 加奈子) 浜松医科大学, 医学部, 助手 (70288546)
石井 晃 名古屋大学, 医学部, 助教授 (30252175)
妹尾 洋 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (50236113)
永柳 衍 島津製作所, 分析機器事業部, 部長
藤井 敏博 国立環境研究所, 化学環境部, 室長 (60109907)
ARIMOTO Hirozo Shimadzu Co., Kyoto CSC Anal. Appl. Dep., Engineering Doctor
服部 秀樹 Aichi Med. Univ. Sch. of Med. Dept. Legal Med., Assoc. Prof. (30107817)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
22,500千円 (直接経費: 22,500千円)
1999年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1997年度: 16,300千円 (直接経費: 16,300千円)
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キーワード | ガスクロマトグラフィー(GC) / 表面電離 / 質量分析 / フェンサイクリジン(PCP / ペチジン / ペンタゾシン / MPTP / 固相抽出 / フェンサイクリジン(PCP) / ガスクロマトグラフィー / キャピラリーGC / 表面電離検出器(SID) / 質量分析器(MS) / 乱用薬物 / 固相抽出法 / 表面電離有機マススペクトロメータ(SIOMS) |
研究概要 |
本所究においては、日本で開発された新しい質量分析計である表面電離有機マススペクトロメータ(SIOMS)の法医学的応用のための実用的な機器の開発と、実際の乱用薬物の高感度検出法の確立を目的とした。まず、島津製作所のグループは、ガスクロマトグラフ(GC)とSIOMSとのインターフェースを実用化した。即ち、GC/質量分析計(GC/MS)の直接導入用プローブの先端にレニウムリボンを装着してその両端に電圧をかけ、イオン化室には酸素を導入してレニウム表面の酸化状態を一定に保つ。この酸化レニウム表面で三級アミンがイオン化するのがSIOMSの特徴であり、以前我々が法医学的に応用したGC-表面電離検出器(SID)に比べ、フィラメントが高真空中にあるためさらに安定になった。このように法医学的応用に改造されたSIOMSを用い、我々はまず幻覚剤のフェンサイクリジン(PCP)をヒト体液中から高感度に検出する方法の確立を試みた。1mlのヒト前血あるいは尿に、12.5ngのPCP及び内部標準のペチジンを加え、pHをアルカリ性にした後C_<18>系カラムで精製し、同定及び定量を試みた。マスフラグメントのパターンは、通常の電子衝撃法(EI)とはやや異なっており、ペチジンの場合は、m/z170の単一のピークであった。また、EI法と比べるとSI法ではバックグラウンドが著明に良好であった。PCPはm/z156のピークを用い、定量を試みたところ、selected iom monitoring(SIM)モードでは、感度限界が0.01ng/mlとなり、従来の方法の25ないし1000倍の高感度が得られ、直線性も良好であった。同様に鎮痛剤のペンタゾシンにおいてもEI法の60倍程度の高感度であった。また、SI法のフラグメントパターンを解析するため、袖経毒のMPTPと類似化合物のフラグメントを採取したが、、これら化合物ではピペリジル基の水素が失われて芳香族化することが明らかになった。SIOMSは、環状構造を持つ三級アミン系の乱用薬物の高感度検出に極めて有力であることがわかった。
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