研究課題/領域番号 |
09307016
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石垣 武男 名古屋大学, 医学部, 教授 (60094356)
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研究分担者 |
池添 潤平 愛媛大学, 医学部, 教授 (70115989)
中田 肇 産業医科大学, 医学部, 教授 (90038836)
吉田 祥二 (吉田 祥ニ) 高知医科大学, 医学部, 教授 (20030869)
島本 佳寿広 名古屋大学, 医学部, 助教授 (70178961)
池田 充 名古屋大学, 医学部, 助教授 (50184437)
河野 通雄 神戸大学, 医学部, 教授 (60030938)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
19,200千円 (直接経費: 19,200千円)
1998年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1997年度: 15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
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キーワード | PACS, / CRT診断 / PACS |
研究概要 |
本研究の目的は診断に有効な画像処理法の確立のため、胸部X線画像で微細陰影を診断する際の異常所見の種類・特性と診断過程における意思決定の関連性を明らかにし、それに基づく種々の画像処理法の最適化を計るものである。診断の難しい胸部間質性病変を対象に4人の胸部放射線診断専門医がCRT画像で病変の存在の有無に関して読影した結果では、判断が一致した症例では、病変が比較的明瞭な結節影や線状影を形成しており、従来のフィルム写真よりコントラストが高まるために確信度が増すと考えられた。判断が解離した症例では、正常例では画像処理を加えると正常の血管影までも異常と判断される場合があった。スリガラス影の存在の判断がCRTでは難しい場合があり、従来のフィルム写真では淡く認識されるスリガラス影がCRT画像では血管影の明瞭化と引き替えに不明瞭になったり、肺野に重なる軟部陰影の影響がCR画像では判断しにくいという結果であった。病変の存在の指摘が難しい肺の微細陰影のCR写真をCRTで観察し、階調処理、周波数処理の効果の評価を行った実験では、画像処理別の評価に有意な差が認められた。また観察者間でも評価についての有意な差が認められ、画像処理による病変の描出能の主観的評価は個人による差が大きいことがわかった.異常所見の内容によっても画像処理の効果が異なることが明らかとなったが、周波数処理については、概ね低周波強調をしたものがよい傾向であった。以上より、CRTモニタによる診断は画像処理を自由に駆使して行える利点を有するが、従来のフィルム画像の診断基準をそのまま当てはめることは必ずしも正当化されず、不必要な画像処理、特に高周波数処理の導入は従来のフィルム写真で培った個人個人の診断クライテリアを曖昧なものにし、意思決定ができなくなってしまう恐れが大きいので用いるべきではないことが分かった。
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