研究課題/領域番号 |
09307046
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
|
研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
中村 治郎 鶴見大学, 歯学部, 教授 (90064336)
|
研究分担者 |
岩久 正明 新潟大学, 歯学部, 教授 (70013927)
田上 順次 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (50171567)
河野 篤 鶴見大学, 歯学部, 教授 (00064345)
新谷 英章 広島大学, 歯学部, 教授 (80034239)
加藤 喜郎 (加藤 善郎) 日本歯科大学, 新潟歯学部, 教授 (20060452)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
10,700千円 (直接経費: 10,700千円)
1999年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1998年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
|
キーワード | 臨床評価 / 長期修復症例 / 臼歯コンポジットレジン修復 / 臨床評価基準 / 辺縁封鎖性 / 辺縁破折 / 接着 / 磨耗 / 摩耗 / 臼歯用コンポジットレジン修復 |
研究概要 |
歯冠修復物の臨床成績に関する文献を纏めるとともに、以下の研究を行った。 コンポジットレジン修復に関しては、田上、稲井は修復処置1051症例のうち、修復処置の原因は、初発齲蝕は46.1%、2次齲蝕は34.0%を占めた。岩久、福島は化学重合型コンポジットレジンの咬合面修復物116例のl0年間の機能残存率は71%で、また窩縁部の相対的平均摩耗量は100μm以下であり、臨床的に許容のできる範囲内としている。新谷は13年間の観察を行い、辺縁適合性、摩耗、修復物の変色・着色は4年、7年、10年間はほぼ同じ成績を示したが、13年経過後はやや劣化が認められた、また二次齲蝕も10年後の評価と比べ若干増加しているとしている。久保は5年以上のコンポジットレジン修復310症例のうち75症例が再治療され、その年数は平均6.2年であり、窩洞別では3級窩洞7.4年、5級窩洞4.5年と有意差が認められたとしている。福島、久保は共に再修復の主たる理由は歯髄処置(歯髄炎)、破折、脱落を挙げている。また久保はくさび状欠損66症例にClearfil liner bond IIとSingle Bondを用いてコンポジットレジン修復を行い、接着システムによる差がなかったと報告している。河野、高水はセルフエッチングプライマーシステムは口腔内で少なくとも7年間の接着耐久性があることを観察している。 臨床成績を向上させる方法として加藤、新海はベベル付与するときは、小窩裂溝の延長線上に限局した小範囲にとどめるべきで、また咬合面の光重合型コンポジットレジン修復は光透過型圧接子の使用を推奨している。井上、北野は修復時に適切なフィールドコントロールと的確な修復技術とがコンポジットレジンの長期間機能を可能にするとしている。小松は再治療の判断を辺縁のgapに焦点を置き、gapの識別能について検討した。辺縁のgap幅、50μは触診により概ね識別が出来るとし、より確実な再治療の判定基準確立のためには、視診、触診による識別能を向上させること、客観的な観察法としてボアスコープなどで拡大観察を行うこととしている。 鋳造修復について久保は100例中21例に再修復が行われ、その年数は平均6.3年と報告している。 竹重はセラミックインレーのような脆性の高い材料では、製作時にflowやmicro crackが生じないよう予め傷を修復することが極めて重要で、修復物辺縁を中心にSEMによる微細な分析を行うことにより亀裂の進展が検知出来、予後の判定に利用出来る可能性があることを示唆した。
|