配分額 *注記 |
33,800千円 (直接経費: 33,800千円)
1999年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1998年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1997年度: 25,500千円 (直接経費: 25,500千円)
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研究概要 |
ラット組織から計3種のホスホリパーゼD,rPLD1a,スプライスバリアントrPLD1b,新規のアイソザイムrPLD2をクローニングした.PLD1a,bはArf,Rho,PIP_2に依存するのに対してrPLD2はPIP_2にのみ依存した.大腸粘膜に低濃度(10^<-5>M)でPLDを阻害する内在性因子を見出し,それらがリゾPS,PI,リゾPIであることを示した.ヒト乳癌,ラット実験大腸癌でPLD活性が癌部で非癌部に比べ優位に上昇しており,PLDが腫瘍マーカー,癌の薬物治療のターゲットとして利用できる可能性を示した. ショウジョウバエPLDをクローニングし,酵素が1278残基(145kd)から成り,PXドメイン,PHドメイン,および2つのHKDモチーフを含むことを示した.COS細胞で発現した酵素はPIP_2に強く依存し,Arfによって約2倍の活性化を受けた.遺伝子は第2染色体右腕42A16-18にマップされ,10個のエキソンから成っていた.in situ hybridizationによってmRNAはblastoderm後期に一時的に消失することからPLDが初期発生の調節にかかわることが推定された. リゾホスホリパーゼは低分子量型酵素(24kd)とトランスアシラーゼ活性を有する高分子量型酵素(60kd)に大別されるが,低分子量型酵素については新規のリゾホスホリパーゼIIをクローニングし,酵素がGXSXGモチーフを有しエステラーゼファミリーに属することを示した.IについてはNO合成酵素のシスティン残基からパルミチン酸を除去し活性化に関与することを示した. 高分子量型酵素をラット肝臓からクローングして酵素がアスパラギナーゼと高い相同性を示し,ロイシンジッパー,アンキリンリピートを有し,構造は低分子量型と全く異なることを示した.酵素はリゾリン脂質のsn-1位,-2位から脂肪酸,とくにsn-2位のアラキドン酸を別の分子のsn-1位に転位する強い活性を有し,アナンダミドの前駆体1-アラキドニルPCを生成した.
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