研究課題/領域番号 |
09308034
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
神谷 瞭 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50014072)
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研究分担者 |
増田 弘毅 秋田大学, 医学部, 教授 (60103462)
安藤 譲二 (安藤 穣二) 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20159528)
柴田 政廣 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60158954)
是永 理佐 東京大学, 大学院・医学系研究科, 寄付講座教員 (20260482)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
27,100千円 (直接経費: 27,100千円)
1998年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1997年度: 21,800千円 (直接経費: 21,800千円)
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キーワード | 壁ずり応力 / shear stress / 血管新生 / サイトカイン / 血管内皮細胞 / mRNA安定化 / 微小循環 / 血管リモデリング / GM-CSF / 遺伝子発現 / 毛細血管新生 / 血管拡張剤 / 生体蛍光顕微鏡 / 血流速度 / 微小血管内径 / ラビットイヤーチャンバー / 創傷治癒 |
研究概要 |
本研究では、生理学的な現象である血管新生と、病理学的反応である血管壁内膜肥厚の発生機序について、血流に起因する壁ずり応力に対する血管反応の面から検討した。 微小血管新生に及ぼす血流増加の効果をin vivoで検討した。生体顕微鏡を用い、α1- blocker(prazosin)を慢性投与したウサギの耳介透明窓内での微小血管新生過程を7日後から23日まで経時的に追跡した。prazosin投与による血流負荷群は対照群に比べ、初期段階(7日目)から血管新生が促進し、最終的な血管床密度においても21%高値を示した。 血管壁内膜肥厚には内皮細胞から産生される増殖因子やサイトカインが関わっている。内皮細胞のサイトカイン産生に及ぼす壁ずり応力の影響をin vitroで検討した。ヒト臍帯静脈培養内皮細胞(HUVEC)に流れ負荷装置で壁ずり応力を加え、灌流液中の造血系サイトカインであるcolony stimulating factor(CSF)の蛋白濃度をELISAで測定した。壁ずり応力(15dyn/cm^2 24時間)はHUVECのGM-CSF産生量を著明に増加(コントロールの約6倍)させた。一方、G-CSFとM-CSF産生には有意な変化を起こさなかった。壁ずり応力はGM-CSFmRNAレベルをコントロールの約3.7倍に上昇させた。しかし、壁ずり応力がGM-CSF遺伝子の転写には影響を及ぼさないことがrun on assayとluciferase assayで示された。他方、actinomycin D chase experimentの結果、壁ずり応力によりGM-CSF mRNAの半減期がコントロール約20分から約40分に延びることが判明した。このことから壁ずり応力が内皮細胞のGM-CSF産生をmRNAの安定化を介して促進することが示された。
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