研究課題/領域番号 |
09351003
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
檜山 幸夫 (桧山 幸夫) 中京大学, 法学部, 教授 (40148242)
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研究分担者 |
廣瀬 順晧 駿河台大学, 文化情報学部, 教授 (50265435)
酒井 恵美子 中京大学, 教養部, 助教授 (00217754)
大友 昌子 中京大学, 社会学部, 教授 (30060700)
岡部 建次 駿河台大学, 文化情報学部, 助教授 (20265432)
廣木 守雄 中京大学, 情報科学部, 教授 (80267898)
石川 一三夫 中京大学, 法学部, 教授 (00065236)
高橋 実 作新学院大学, 経営学部, 教授
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
19,500千円 (直接経費: 19,500千円)
2000年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1997年度: 9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
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キーワード | 外地統治 / 台湾統治 / 台湾総督 / 台湾総督府 / 台湾総督府文書 / 近代史科学 / 台湾統治史 / 植民地 |
研究概要 |
本研究は、台湾統治の基礎史料である台湾総督府文書を基に、台湾の統治構造と台湾総督府文書の構造を解明し、合わせて台湾総督府文書を近代史料学の立場から検討して近代行政文書学としての公文書学の構築を目指したものである。本研究の特徴は、従来の法制度史的な方法による政策史研究の限界を踏まえ、行政行為記録としての文書分析を通じて実際の政策決定過程を明らかにすることによって外地統治としての台湾統治構造を解明することにあることから、台湾総督府文書を詳細に分析していった。その結果、(1)台湾統治政策は強力な本国政府の指導下で遂行されていたこと、つまり台湾統治政策の決定は台北ではなく東京であったこと、(2)それは台湾総督への委任立法権の付与が実は政府への委任立法権の付与を意味していた、つまり六三法の条文解釈主義的な従来の定説は間違いで、三一法・法三号を含め台湾統治は違憲的制度であったこと、(3)台湾総督府文書は唯一残された中央政府の行政文書であることから未だ解明されていない近代行政文書学としての公文書学研究を構築するための最も重要な史料であること、(4)近代行政官僚にとっての公文書とは単なる行政行為記録でしかなくその限りにおいて保存管理されていたこと、(5)内規として定められていた文書保存規則は廃棄を前提とした文書保存主義によるものであったことが現代において公文書が継承されない原因を作っていること、(6)台湾総督府文書を事例にした公文書目録データベース化には、行政学・古文書学・歴史学の専門的知識とそれら専門家による共同作業が不可欠であることを明らかにすることができた。これらの成果は、今後の台湾統治史研究はもとより、台湾総督府文書の史料学的研究と近代行政文書学としての公文書学研究の発展に大きく寄与するものと思われる。
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