研究課題/領域番号 |
09355010
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高橋 研 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70108471)
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研究分担者 |
吉良 徹 シャープ株式会社, 生産技術開発本部・精密技術開発センター, 技師長(研究職)
角田 匡清 (角田 清) 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80250702)
荘司 弘樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70241528)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
30,000千円 (直接経費: 30,000千円)
1999年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1998年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1997年度: 17,000千円 (直接経費: 17,000千円)
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キーワード | 薄膜 / 磁性薄膜 / 極高真空 / スパッタリング / 極薄膜 |
研究概要 |
本研究の目的は、成膜雰囲気の清浄化が薄膜成長過程に及ぼす影響の解明を通じて、スパッタ成膜プロセスにおける極薄積層膜の微細構造の制御技術を確立し、高性能ヘッド用スピンバルブ型GMR薄膜の特性を安定に導出することにある。スピンバルブ膜に求められる物理要因は、交換磁気異方性とスピン依存散乱であり、ともに異種金属界面における事象である。スピンバルブ膜の各層は極めて薄いため、その微細構造を制御するためには、成膜雰囲気中の不純物等の影響を極力排除することが不可欠である。そこで、本研究においては、従来装置に比べ成膜雰囲気中の不純物レベルが4桁程度低い、極清浄雰囲気対応のマルチスパッタ装置を用いて検討を行った。本手法により、薄膜構造ならびに積層界面における、雰囲気清浄化の効果、不純物の影響の解明が初めて可能となった。検討の結果、成膜雰囲気を清浄化することにより得られる最大の利点は、成膜過程における、不純物、特に酸素の膜中への混入を抑制し、結晶成長を促進させることであることを明らかとした。交換磁気異方性については、清浄化により強磁性層/反強磁性層積層膜において、大きな結晶粒体積をもつ反強磁性層を形成することが可能となるため、特に極薄膜厚領域において大きな交換磁気異方性が得られる結果を得た。スピン依存散乱については、良好な結晶性が得られることから、スピン非依存散乱因子を低減させることができ、積層膜の比抵抗を低減させる効果があることを明らかとした。一方で、結晶性の向上に伴う積層界面の平坦性の劣化によって、抵抗変化量そのものは低下したが、積層界面の平坦性の劣化は、微量の酸素が添加された制御雰囲気中での成膜により改善可能であることが明らかとなった。以上、本研究で得られた知見を総合し、磁気抵抗変化率約10%を有する総膜厚150Å以下の極薄スピンバルブ膜の開発に成功した。
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