配分額 *注記 |
20,500千円 (直接経費: 20,500千円)
2000年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1999年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1998年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1997年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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研究概要 |
和船の櫓に関する8年間の研究の結果,櫓は上手に漕ぐと80%に近い高効率を発揮することができ,種々の負荷条件に対応できるという長所を有することが分った。そこで,この長所を活用して新しい船舶推進装置として横行式翼列推進器を開発しようというアイディアを得た。この装置は、和船の櫓を鉛直に立てて右左に横行させれば最とも効率良く推力が得られるはずであるという考えに基づいている。まず模型スケール用の横行式翼列推進器を試作した。そしてその性能を水槽試験でテストを繰り返しながら,どんな問題点があるか洗い出して,一つ一つ改善・改良を行い,また水槽試験でその結果をテストするという,ステップ・バイ・ステップのやり方で実験的・解析的研究を行ってきた。本研究は、平成9年度から平成12年度までの4年間文部省科学研究費補助金をうけて研究を行ったが,所期の目的を達するに至らなかった。初年度には,円弧翼型ブレードを用いて,開き角反転をバネ方式で行ったところ,横行方向の逆転による衝撃と重なってかなり激しい衝撃と振動を起し,計測精度不足を招いてしまった。次年度,開き角反転をステッピングモーター方式に切り換えたところ,振動をかなり減少することができたため,計測可能となり,その結果,所期の目的の一つである効率が60%以上に達することを確認できた。そこで,効率アップを目指して、ブレードをエアロフォイル断面ブレードに交換して実験したところ,70%を越える効率を達成することができた。3年目は,思い切って4メートル長さの模型船に搭載して自航試験を行ったところ,横行方向逆転とブレードの開き角反転による衝撃・振動がまだ大きい影響を及ぼすことが分った。そこで,4年目の本年度は,この2つの衝撃振動をできるだけ小さくするために,横行と開き角反転の両機構をサーボモーターに交換してパソコンによる制御を取り入れるごとに踏み切った。装置の改造と制御プログラムの製作とも研究室卒論学生の手作りで行ったため,難行苦行の連続で何とか動くようになったのが新年になってからという綱渡り的作業の末,1月末になってやっとスムーズな動きが出来るようになり,辛じてデータの計測をすることができた。結果が出るのは,年度末ぎりぎりになりそうである。何とかこぎつけることができそうである。
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