研究課題/領域番号 |
09356005
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
水産化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
関 伸夫 北海道大学, 水産学部, 教授 (20002090)
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研究分担者 |
熊澤 義之 味の素株式会社, 食品総合研究所, 研究員
埜澤 尚範 北海道大学, 水産学部, 助手 (20221484)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 16,900千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1997年度: 11,900千円 (直接経費: 11,900千円)
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キーワード | ゲル化食品 / ねり製品 / トランスグルタミナーゼ / 坐り / 戻り / ホタテガイ / コイ / プロテアーゼ / アクトミオシン / サケ |
研究概要 |
魚介類筋肉の加熱ゲル形成の最適条件を検討するために、ゲル形成の要因を明確にした。まず、筋肉加熱ゲル形成の基本は未変性ミオシン(またはアクトミオシン)の加熱ゲル形成能にある。次に重要な因子は坐りの効果である。坐りは(1)アクトミオシンの網目構造形成時の網目の均一分散化;(2)SH基などの酸化による化学架橋;(3)トランスグルタミナーゼによる酵素架橋形成反応がその実体であることを明確にした。これらの中で、最も重要なものは酵素架橋であリ、これが起きない場合は実用的レベルでの坐り効果はほとんど得られないことを明らかにした。 戻りは加熱ゲル形成時に50-60℃で起きる阻害反応で、この要因は2つある:(1)アクトミオシ加熱ゲル形成時のアクチンによる弾力性の低下による非酵素的戻りと(2)内在プロテアーゼによるミオシンの加水分解による網目構造の崩壊である。非酵素的戻りはアクトミオシンであれば動物の種類を問わず起きるが、その度合いは異なった。トランスグルタミナーゼによる坐りはこの戻りを軽減できた。プロテアーゼによる戻りは内在するプロテアーゼの種類と活性レベルで影響が異なった。サケ肉糊ではカテプシンL,コイではシステインプロテアーゼとセリンプロテアーゼが関与していた。ホタテガイ貝柱ではプロテアーゼの作用はほとんど無かった。これらの要因を考慮し、淡水魚(コイ)およびサケではトランスグルタミナーゼによる坐りの導入が実用的なゲル強度をうるために必要であることを実証した。トランスグルタミナーゼとプロテアーゼ阻害剤の併用は強いゲルの形成に顕著な効果があったが、過剰な酵素架橋形成は亀裂を生じやすい特異なゲルとなった。ホタテガイ貝柱の加熱ゲル化は内在トランスグルタミナーゼによるゲル形成を高塩濃度と10mMの高カルシウムを添加することで成功した。貝柱平滑筋のゲル形成はパラミオシンのゲル形成能に依存する特殊なゲルであることを明らかにした。
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