研究課題/領域番号 |
09357004
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
法医学
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
岸 紘一郎 群馬大学, 医学部, 教授 (30169841)
|
研究分担者 |
中島 たみ子 群馬大学, 医学部, 助手 (40008561)
竹下 治男 群馬大学, 医学部, 講師 (90292599)
安田 年博 群馬大学, 医学部, 助教授 (80175645)
矢澤 伸 日本抗体研究所, 副所長
細見 修 群馬大学, 医学部, 助手 (30134274)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
28,300千円 (直接経費: 28,300千円)
2000年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1998年度: 8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
1997年度: 15,200千円 (直接経費: 15,200千円)
|
キーワード | 年齢推定 / 年齢依存性 / 遺伝子発現 / マウス腎臓 / cDNA cloning / 遺伝子クローニング / 加齢 / 個人識別 / PCR / differential display / 分子生物学 / 年齢 / cDNA / 尿 / アミノ酸配列 / 鑑識科学 |
研究概要 |
法医学において個人識別は極めて重要な研究分野の一つであるが、年齢を推定しうるマーカーの数は極めて少ない。本研究では、ヒト個体の加齢の各ステップを決定しうる生化学的マーカーに着目し、これらマーカーを利用した分子生物学および生化学的手法による法医学的試料からの年齢推定法を確立することを目的とした。 1.Ugl-Yは若年者尿特異的糖タンパク質として見出された年齢依存性生体分子である。本研究ではUgl-Yの一次構造を決定した。若年者尿から精製したUgl-Yについて、タンパク分解酵素による限定分解によって得られた各ペプチドについてアミノ酸配列を決定した。その結果、Ugl-Yは180残基のアミノ酸残基から構成されることが明らかとなった。データベース検索から、Ugl-Yのアミノ酸配列はfibronectinの一部のアミノ酸配列と完全に一致していた。従って、Ugl-Yの由来としてはfibronectinの限定分解産物あるいはその転写産物のalternative splicingが想定された。今回得られた知見によって、Ugl-Yの分子生物学的解析が可能となった。 2.新規な年齢推定マーカーを見出すため、マウス腎臓について年齢依存性発現を示す遺伝子の検索を行った。differential display-PCR法、comparative RT-PCR法を利用してマウス腎臓中に発現する7種類の年齢依存性発現を示すcDNAを見出した。従って、両分子生物学的手法は年齢依存性発現を示す新規遺伝子の検索に極めて有用であることが明らかとなった。 3.前項で見出された新規遺伝子のひとつであるAI482564について、その分子生物学的性状を解明した。AI482564 cDNAは全長3,058bpであり、194アミノ酸残基よりなる分子量約2.2万のタンパク質をコードしていた。BLAST検索から、本タンパク質はペルオキシソームの膜タンパク質であるMpv17およびPMP22との間にそれぞれ31%および24%の相同性があった。そこで、この新規なタンパク質をMpv17 domain familyに属するものとしてM-LPと命名した。さらに、その遺伝子は全長5kbにおよび3個のエキソンから構成され、その遺伝子の発現量は成長期に増加し、その後加齢とともに緩やかに減少することが明らかになった。 以上の研究成果より、年齢推定マーカーの検索・解析に不可欠な分子生物学的アプローチの基盤が確立出来た。
|