研究課題/領域番号 |
09357020
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
医薬分子機能学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
寺田 弘 徳島大学, 薬学部, 教授 (00035544)
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研究分担者 |
堀 均 徳島大学, 工学部, 教授 (90119008)
山崎 尚志 (山ざき 尚志) 徳島大学, 薬学部, 助手 (20271083)
篠原 康雄 徳島大学, 薬学部, 助教授 (60226157)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
31,200千円 (直接経費: 31,200千円)
2000年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1999年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1998年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1997年度: 12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
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キーワード | II型ヘキソキナーゼ / エネルギー代謝 / 酸化的リン酸化 / 解糖系 / 抗がん剤 / ポーリン / 1型グルコース輸送担体 / ミトコンドリア / ヘキソキナーゼ / HIF / 転写阻害剤 |
研究概要 |
本研究では、抗がん開発のためのターゲットの探索研究に重点をおいた実験を展開し、以下に述べるような知見を得ることに成功した。 1)正常な組織とがん細胞でのヘキソキナーゼアイソザイムの転写レベルの比較を行い、悪性度が高いがん細胞株AH130では、正常な組織にはほとんど発現していないII型と呼ばれるアイソザイムが多量に発現していることを見いだした。また、定量的解析の結果、がん細胞株AH130でのII型アイソザイムの転写レベルは、2.5fmol/mg of poly(A)+RNAと求まり、白色脂肪組織におけるII型アイソザイムの転写レベルの15倍にも至ることを明らかにした。 2)4種の糖輸送担体のメッセージレベルについても、同様の手法で解析を行った。その結果、従来報告されていた通り、がん細胞では1型の糖輸送担体の転写レベルが顕著であり、そのレベルは、脳における同アイソフォームの転写レベルの62倍も高いものであった。これらの結果から、我々は、がん細胞では、1型の糖輸送担体とII型ヘキソキナーゼの転写レベルが顕著に亢進していることを結論することができた。 3)そこで、がん細胞ではどのようにしてII型ヘキソキナーゼと1型糖輸送担体の転写レベルが亢進するようになるのか解析を行った。その結果、がん細胞では、細胞の増殖条件の変動に伴って、これらの転写レベルが著しく変動することが明らかにし、このような変動をもたらす主たる因子が血清に含まれる成分であることをつきとめることに成功した。これらの結果から、がん細胞では、その増殖条件の変動に伴って、特徴的な糖代謝経路が形成されること、ならびにその形成を支配している主たる要因が血清応答性因子であることを結論した。
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