研究課題/領域番号 |
09358001
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
家政学
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
横井川 久己男 奈良女子大学, 生活環境学部, 助教授 (60230637)
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研究分担者 |
河合 弘康 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (80026525)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
19,200千円 (直接経費: 19,200千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1997年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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キーワード | 大腸菌O157 / 食品衛生 / 酸耐性 / 香辛料 / 増殖抑制 / 大腸菌O-157 |
研究概要 |
大腸菌O157は、血便と腹痛を主症状とする出血性大腸炎を起こす危険な細菌である。本病原体は経口感染で胃を通過するために高い酸耐性を有すると共にベロ毒素を生産する。大腸菌O157の酸耐性とベロ毒素生産性の変動を、実際の感染源となる食品毎に調べることは、食品の安全性評価の観点から重要な課題である。 本研究では、まず各種調味料が大腸菌O157の増殖と生存に及ぼす影響を検討した。大腸菌O157と非病原性大腸菌の注目すべき違いとして、大腸菌O157は醤油に対する耐性がきわめて高いことを見いだした。また、醤油含有培地が、大腸菌O157の選択培地として有用であることを示した。これらの成果は、大腸菌O157の迅速分離に、きわめて有用な知見を与えると考えられた。 続いて、種々のスパイスの大腸菌O157および非病原性大腸菌に対する抗菌作用を明らかにした。全体として、大腸菌O157は、非病原性大腸菌よりも、スパイスの抗菌作用に対して高い耐性を示したが、ナツメグのエタノール抽出画分に対しては大腸菌O157が高い感受性を示し、容易に殺菌されることを見いだした。この結果は、大腸菌O157による食中毒の発生防止にきわめて有用な情報を与える成果と考えられた。 また、各種食品中で増殖した大腸菌O157の酸耐性とベロ毒素生産性の変動、並びに酸耐性機構について検討した。その結果、食品に混入した大腸菌O157の酸耐性は食品の保存時間の延長と共に増加するが、低温で保存した食品中においては、増殖段階にかかわらず低い酸耐性を示すことを明らかにした。従って、大腸菌O157によって汚染された食品の危険性は、保存温度の低下により軽減されると考えられる。また、大腸菌O157のベロ毒素生産性に関しても種々の食品について検討を行い、タマネギの抽出液がベロ毒素生産性を低下させることを見いだした。これらの成果は大腸菌O157による食中毒の発生防止に有用な知見と考えられた。
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