研究課題/領域番号 |
09358015
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
関口 睦夫 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (00037342)
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研究分担者 |
伊東 理世子 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (10140865)
下川 英俊 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (50122792)
真田 正幸 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (40084264)
續 輝久 (続 輝久) 九州大学, 医学部, 教授 (40155429)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
24,200千円 (直接経費: 24,200千円)
1999年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1998年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
1997年度: 11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
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キーワード | 発癌物質 / DVA修復系 / ミスマッチ修復 / 遺伝子欠損マウス / アルキル化剤 / 細胞株 / がん / 突然変異 / DNA修復系 / 発がん物質 / 検出・評価システム / DNA修復 / アポトーシス / 酸素マジカル / 発がん / 修復欠損 / 遺伝子ターゲティング / 致死効果 |
研究概要 |
本研究では突然変異の制御機構に基づいて、発癌の制御に関わると考えられる2つのDNA修復系を欠くマウスをつくり、それを用いて発癌剤の高感度な検出系を確立した。これによってこれまで経験的に進められてきた発癌性の評価に学問的基盤を与え、充実した検査体制を築くための有用なシステムを提供することができた。さらにこの実験系は生体のもつ発癌を抑制する機構を明らかにする上で有用と考えられる。DNA修復酵素(0^6-メチルグアニンDNAメチルトランスフェラーゼ)を欠くMGMT欠損マウスはアルキル化作用をもつ化学物質の発癌性を検出する上で有用なことがわかったが、何分その高い致死性のため投与できるアルキル化剤の量が限られる。アルキル化剤によってひき起こされるアポトーシスにはミスマッチ修復系が関わると考えられるので、MGMT欠損に加えてミスマッチ修復遺伝子の1つであるMLH1を欠くマウスを作成して検討した。その結果MGMT^<-/->MLH1^<-/->マウスはMNUの致死効果に対して野生型マウスと同じレベルの抵抗性を示した。そのようなマウスに30mg/kgのMNUを投与して発癌性を調べたところ、77%に胸腺腫が生じた。この条件下では野生型マウスには全く腫瘍は生じなかったので、二重欠損マウスはアルキル化剤の腫瘍誘起効果に対してきわめて高感受性となることが明かとなった。この場合の問題点の1つはMGMT^<-/->MLH1^<-/->マウスは正常の状態でも比較的高い頻度でも腫瘍を生じることであった。この問題を解決するためMGMT^<-/->MLH1^<+/->マウスを作製して検討したところこのマウスのMNUに対するLD_<50>は120mg/kgでホモ欠損のマウス(MGMT^<-/->MGMT^<-/->)比べて若干低かったが、30mg/kg投与の発癌実験を支障なく実施することができた。MGMT^<-/->MLH1^<+/->マウスではPBS投与では腫瘍を全く生じず、30mg/kgのMNU投与によって40%の固体に胸腺リンパ腫を生じた。これによって比較的高濃度のアルキル化物質を投与してもマウスの生存を損なうことなく、その発癌性をきわめて鋭敏に検出できる系を確立することができた。
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