配分額 *注記 |
20,800千円 (直接経費: 20,800千円)
2000年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1999年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1998年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1997年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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研究概要 |
遺跡情報を,遺跡から出土した古人骨それぞれのDNA情報と統合し,古代社会を復元していくための解析システムを開発することが,本研究の目的である。このために,実際の遺跡から出土した古人骨のDNA情報を得,それをデータとして数理情報処理システムの開発をおこなった。開発された古代社会の復元システムを用いて,中国・黄河下流に位置し,春秋戦国時代の斉の都があったLinziにおける,約2500年前の春秋時代の古代人類集団,約2000年前の漢代の古代人類集団,そして現代漢民族集団,の比較をおこなった。この一次情報の重要性は,同じ場所の異なる3つの時代の人類集団についての情報であるという点であり,中国古代人類集団の遺伝的多様性という「点のレベルでの分析」だけではなく,中国古代人類集団の遺伝的多様性の時代的変遷という時間軸を加えた「面のレベルでの分析」がおこなえたことである。その結果,2500年前から2000年前の500年間に中国・黄河下流域の人類集団の遺伝的構成に大きな変化があったことが示された。また,2500年前の春秋時代の人類集団が現代ヨーロッパ人類集団とクラスターを形成すること,すなわち,現代ヨーロッパ人類集団や現代トルコ人集団と遺伝的に近縁な人類集団が,今から2500年前にはユーラシア大陸の東端に存在していたことが明らかとなった。これらの結果は,現代人類集団を用いた分析からは決して得ることが出来ない画期的な成果であり,本展開研究によって初めて可能となったものである。
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