研究課題
基盤研究(B)
本研究は、マルチメディアやその他保護著作物をデジタル利用する技術の開発によって環境が変化する中、近未来における著作権制度の在り方につき、検討しようとするものである。著作物、実演、レコードなどにつき、デジタル送信による、あるいは、DVD、フラッシュメモリーなどを用いた、新たな利用形態や、それと同時に、放送のデジタル化とデジタル送信の間のような、新旧メディア間のインターフェイスの問題に直面している。今や、音楽配信、電子出版、デジタル放送など、デジタル利用の範囲が広がりつつある中、技術的手段と密接に連携した著作権保護の新たなシステムを見出すことが急務となってきた。この点、1996年12月のWIPO著作権条約及びWIPO実演・レコード条約に対応した国際、外国及びわが国における動きを検討することができた。その結果、暗号化、電子透かしなどの技術を組み込んだ権利処理システムを構築する可能性を明確に認識することができた。それは、電子商取引 電子認証、電子決済というビジネスの領域で検討されているシステムと結合した「電子的著作権処理システム」である。そこにおいては、著作権の「電子的」行使、著作物利用の「電子的」許諾を論ずることができるように思う。
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