研究概要 |
文部省,厚生省,大学附属病院,臨床研修指定病院,日本医師会等関係者による「医師の卒後臨床研修に関する協議会」において,大学附属病院が臨床研修の場として果たしてきた役割及び現状について明らかにし,研修の到達目標,研修内容・プログラム,研修修了時の評価,研修医の身分など共通の卒後臨床研修のあり方全般について,分析,検討を行った。その結果,(1)各国立大学附属病院においては,これまで,高度な専門分野の卒後臨床研修に力点を置く傾向があり,基本的な臨床能力の上に立った専門医の育成が必要であること,(2)各機関毎に独自の研修を行っているなど受入れ体制の不備によって研修の成果が十分でないことなどから,大学附属病院として共通的なカリキュラムを作成する必要性が確認された。 そこで,国立大学医学部附属病院長会議常置委員会のもとに,国立12大学の卒後臨床研修に携わる教官の協力を得て,「卒後研修共通カリキュラム等の作成検討部会」を設置し,計6回の検討部会を開催し,各国立大学附属病院の意見を求めて,「国立大学附属病院卒後臨床研修共通カリキュラム」を作成した。 本カリキュラムは,国公私立大学医学部附属病院に共通の研修モデルで,大学における医学教育,研究,診療機能及び今後の医師養成のあり方の観点から総合的に構築したものであり,今後各大学病院においては,この共通カリキュラムを基盤として,研修内容等の積極的な改善充実が図られることが期待される。
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