研究課題/領域番号 |
09410010
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
印度哲学(含仏教学)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木村 清孝 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (40140355)
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研究分担者 |
池田 知久 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50036555)
下田 正弘 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (50272448)
丘山 新 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (90185489)
落合 俊典 華頂短期大学, 教授 (10123431)
蜂屋 邦夫 大東文化大学, 国際関係学部, 教授 (00012980)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1997年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 疑偽仏典 / 偽経 / 真経 / 漢訳仏典 / 新仏典 / 化珠保命真経 / 経典 / 聖典 / 仏性海蔵経 / 金剛峻経 / 慈仁問八十種好経 / 父母恩重経 / 九條錫杖経 / 玄奘 / 漢訳 / 五百願 / 偽経目録 / 八陽経 / 延命地蔵経 / 地蔵信仰 / 八大明王 / 三階教 / 道 / 道器論 |
研究概要 |
本研究は、(1)「漢訳」によってどこまで仏典はそのインド的性格を変えて中国化・東アジア化を果たしたのか、換言すれば、疑偽仏典成立の内在的理由はどこに見出せるのかを探り出すこと、および、(2)東アジア全域を視野に入れ、疑偽仏典が成立し流布する時代と社会の実情を踏まえて、それらの内実を分析・検討し、その全容を解明することを最終目的とし、3年間の研究期間内にこの目的を達成するための確固たる基盤を作り上げることを目指した。研究は、むろんまだ途上にある。しかし、幸い、各年度における研究会の開催を含めて、緊密な協力体制のもとに目的に沿ってほぼ順調に研究を進めることができた。その具体的な成果の一端は、『化珠保命真経』の究明など、「報告書」掲載の諸論文から窺い知って頂けようが、全体としてかなり明瞭になってきたところは、(1)漢訳仏典が、もとの仏典に比較しておおむね「新仏典」とでも呼ぶべき変容、ときには変質を示しているにもかかわらず、中国ないし東アジアの人々、中でも知識人以外の一般社会の人々にそのままで受け入れられ、救いや安らぎをもたらすものとはなりにくいこと、(2)基本的に、漢訳仏典の解釈・読み取りの上に生まれてくる東アジアの仏教思想は、そのような漢訳仏典の限界点を下げ、あるいは消していこうとする一面をもつこと、(3)疑偽仏典には実にさまざまのものがあり、一括りにすることはできないが、もっとも重要な一群の偽経は、漢訳仏典によって果たしきることが難しい救いや安らぎという宗教的課題に応えるべく作成されたと考えられること、などである。われわれは、このような研究の成果を踏まえて、東アジア世界において疑偽仏典が果たしてきた思想史的役割とその宗教的意義のトータルな解明に向けて、さらに本研究を続けていきたいと願っている。
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