研究課題/領域番号 |
09410074
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 聖心女子大学 |
研究代表者 |
樋田 大二郎 聖心女子大学, 文学部, 助教授 (80181098)
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研究分担者 |
苅谷 剛彦 東京大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (60204658)
耳塚 寛明 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (40143333)
岩木 秀夫 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (90114389)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 高校 / 生徒文化 / トラッキング / 多様化 / 個性重視 / 青年文化 / 学習指導 / 進路指導 / 生徒分化 |
研究概要 |
本研究は、1979年に行った高校生徒文化と高校の指導が生徒の高校生活と進路形成に与える影響についての研究の継続研究であり、個性化・多様化がいわれる中での高校教育の20年間の変化を明らかにするものである。本年度は昨年度実施した高校教師と生徒対象の質問紙調査と面接調査の補充調査を行っている。 昨年度明らかになったことは、(1)高校生徒文化は学校外の青年文化の影響を強く受けるようになった、(2)高校の指導は、校則指導や部活・行事の指導が弱まり、学習指導・受験指導へと特化してきた、(3)高校が力を入れている指導の学校階層間の差違は全体として縮まっており、トラッキングが弛緩してきている、ということである。 本年度明らかになったことを要約すると、(4)学習指導と受験指導への特化は、高校教育の進学準備教育へのシフトという高校教育制度の20年間の大きな流れの中での高校の位置づけの変化に対応して起きている。(5)質問紙調査から明らかになった教師の日常的な場面での意識と行動を見ると、ここでも校則指導などからの撤退と学習指導と受験指導の強化を見て取ることができる。(6)しかし、学校全体として指導や教師の日常的な指導の変化に反し、生徒の意識と行動は青年文化と生徒の"内面"の変化の影響を受けて、アイデンティティ面でも実際の学習行動面でも学習や成績から離れてきている。たとえば、成績にこだわらなくなり、学習時間も減少した。(7)生徒の生活面でも変化が起きている。学習行動からの疎外と並行して、"学校生活"での生き生きとした意識や行動が弱まっている。 以上、高校教育が制度的位置づけ、指導組織、教師の日常的指導のそれぞれについて学習指導・受験指導へと特化していく中で、意識面でも行動面でも生徒の学校生活の比重は減少し、全体としての学習時間も減少している。
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