研究課題/領域番号 |
09410089
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
上野 和男 国立歴史民俗博物館, 民族研究部, 教授 (80062008)
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研究分担者 |
橋本 裕之 千葉大学, 文学部, 助教授 (70208461)
福原 敏男 国立歴史民俗博物館, 民族研究部, 助教授 (20156805)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 宮座 / 神観念 / 祭礼 / 村落 / 民俗芸能 / 当屋制 / 当尾制 / 当座制 / 祭 / 頭後 / 当屋 |
研究概要 |
本研究は、これまでの宮座研究史をふまえて、とくに滋賀県以外の近畿地方の宮座や中国・九州の宮座に注目して調査研究を実施し、この地域の宮座と近畿地方の宮座との地域的・歴史的比較研究を通じて、宮座祭祀とその背景にあるカミ観念をより一般的に解明するのが目的である。したがって、本研究では、宮座の組織、儀礼、芸能の三つの視点から、多角的に宮座のカミ観念にアプローチする研究を進めてきた。 3年間の研究期間中に本研究では、つぎの3点を中心に研究を進めてきた。第一は、これまでの日本の宮座祭祀にかかわる日本民俗学、宗教学、社会人類学、社会学などの文献を収集し、文献目録を作成した。第二は、現地調査による資料の収集であり、奈良県、滋賀県、福井県(とくに若狭)などの近畿地方、佐賀県や大分県国東半島などの九州地方、および中国・四国地方の宮座を中心にその組織、祭祀、芸能の調査を実施した。第三に、大正から昭和初期にかけて実施された宮座関係資料の分析によって、近畿地方を中心に当時の宮座の実態を明らかにするとともに、現在の宮座との比較分析を実施した。 これらの研究によって、近畿地方以外の中国・四国・九州地方にも広範に宮座が存在し、現在においても地域の神社祭祀に重要な役割を果たしていることが明らかになった。しかしながら、近畿地方と同様に特権的な家筋が衰退し、宮座の特権的祭祀組織とひての性格が変化した宮座もしばしば見られた。したがって、一部の特権集団のカミという観念から、地域社会全体のカミとういう観念に変化した事例も認められた。また、近畿地方の宮座と比較して、とくに組織において年齢階梯制的な要素が微弱であることも明らかになった。
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