研究課題/領域番号 |
09410104
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学(含先史学)
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
上村 俊雄 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (40136833)
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研究分担者 |
藤澤 敦 (藤沢 敦) 東北大学, 文学部, 助手 (00238560)
辻 秀人 東北学院大学, 文学部, 教授 (30244966)
西中川 駿 鹿児島大学, 農学部, 教授 (70041639)
大西 智和 鹿児島大学, 法文学部, 助手 (70244217)
中村 直子 鹿児島大学, 法文学部, 助手 (00227919)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | 古墳文化 / 土師器化 / 拠点集落 / 古代馬 / 東北地方 / 九州地方 / 地下式横穴墓 / 古式群集墳 / 弥生墳墓 / 前期古墳 / 埴輪 / 須恵器 / 南部九州 / 馬骨 / 装飾横穴墓 / 終末期古墳 / 庄内式 / 布留式 / 大型前方後円墳 / 初期群集墳 / 角塚古墳 / 東北と九州 / 古墳時代 / 土器編年 / 古墳 / 集落 / 馬(馬具) / 墳墓 / 交流 |
研究概要 |
東北・九州地域における古墳文化の受容と変容について、考古学的調査と研究を行い、以下のような研究成果を得た。 (1)弥生時代終末から古墳時代初頭に、東北地方は南部、北部ともに在地土器の要素を残さないほど大きな土器構造の変換がおきる。南部は北陸、東海の土器の登場と関東地方の土器との一体化があり、北部は北海道の土器の出現がある。弥生時代から不連続的な展開を示すところに東北地方の特質があり、それが次の時代の動向を規定していくようである。(2)土師器化については、北部九州では大きな断絶はなく、南部九州地域の停滞的様相と異なり比較的早く交代する。土器の変化の様相は集落のあり方とも矛盾がない。北部九州の拠点的集落の多くは弥生時代から存続するもので、存続期間中に大きな断絶や変化は認められず、九州南部でも同様である。(3)東北地方と九州南部の古墳の変遷と分布状況の変化については、双方の古墳、特に首長墳が、大局的に同様の時期に変化を見せる。(4)九州および東北の古代馬は、体型的、形質的に同一の系統と考えられる。弥生中期以降に朝鮮半島経由で九州北部に渡来した可能性がある。(5)九州南部で地下式横穴墓、東北地方で古式群集墳が存在するが、両者の墳墓型式は異なっていても、同時期に古式群集墳が濃密な分布状況を示すという点で共通する。墳墓型式には地域的特色が見られるが,存在形態の共通性は,同様の政治・社会構造が存在した可能性を示唆する。(6)九州南部は基本的に弥生文化の延長上にあり、北部九州とは異質とはいえ、大局的には同じ文化を基礎とした変容の進度の違いによるものであろう。これに対して、東北北部は構成原理が異なる社会である。海を隔てた社会との距離、交流の程度などがこのような違いをもたらしたと思われる。
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