研究分担者 |
上野 智子 高知大学, 人文学部, 教授 (10151812)
位藤 邦生 広島大学, 文学部, 教授 (10069536)
吉沢 康和 広島大学, 名誉教授 (00028086)
鈴木 恵 新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (60163010)
松本 光隆 広島大学, 文学部, 教授 (20157382)
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配分額 *注記 |
12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
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研究概要 |
1 [角筆文献の発掘調査遂行] (1)角筆文献はこれまで日本国内で総計3070点程が発見されたが,本研究期間の3か年で,その3分の1に当る1060点余が,西日本を中心に日本全国から新たに発見された。(2)西日本の各県下では,諸所に角筆文献の埋もれ眠っていることが判明した。(3)日本全国のうち未発見であった宮崎県と沖縄県からも角筆文献を発見し,47都道府県の全県下で曽て角筆が使われ,その文献の伝存することが確認された。(4)以上の成果は,本研究の組織的計画的な調査に基づき,各研究分担者・研究協力者が精力的に遂行した賜物である。 2 [角筆文献の発掘成果の公表・提供] 角筆文献の発見点数は,平成9年度489点,平成10年度386点,平成11年度(平成11年12月迄)187点である。本研究期間に,各年度における発見分を『角筆文献目録(1996年版)』 『角筆文献目録(1997年版)』 『角筆文献目録(1998年版)』として,私家版により発行し,主要大学・角筆文献所蔵者(機関)・研究者(有志)等に配布した。 3 [角筆研究会の開催,討議打合わせ] 「角筆研究会」は平成4年以降9回に及んでいるが、本研究期間にも毎夏計3回を開催し,角筆文献調査の方法・発見報告や課題研究等を行い,その機に研究分担者・研究協力者による研究遂行上の情報交換や討議打合わせを行った。 4 [角筆文字解読用機器の開発・設置] 研究分担者の吉沢康和によって,凹みの極めて薄くなった角筆文字を解読するための「角筆マイクロスコープ」が開発され,改良が加えられ,広島大学角筆資料研究室に設置されて,活用されている。 5 [新研究分野の開拓] 各地から発掘された角筆文献にはその土地の昔の方言の認められるものがあり,全国規模で方言史を開拓する具体的な見通しが得られた。 6 [今後の課題] (1)日本全国に拡げた組織的な発掘調査研究, (2)良質な角筆文献の精査研究, (3)方言史だけでなく教育史を始め文化史の資料としての新しい価値の発見, (4)中国大陸やヨーロッパにおける角筆文献の発掘調査研究(敦煌文献や西洋古写本から既に角筆文字が確認されている)等が,今後の課題として必要となる。
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