研究課題/領域番号 |
09410128
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文学一般(含文学論・比較文学)・西洋古典
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高村 忠明 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10092256)
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研究分担者 |
小森 陽一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (80153683)
宮下 志朗 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90138610)
石田 英敬 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70212892)
西中村 浩 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (80218172)
藤井 貞和 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40134754)
林 文代 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (20139497)
エリス 俊子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90242031)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1997年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | メディア / 言語共同体 / クレオール / イデオロギー / ナチズム / ファシズム / 言語態 / トランス・カルチャー |
研究概要 |
本研究は、技術と記号の複合体としてのメディアが言語や記号の共同体との関わりにおいていかに人間の文化や社会の次元を構成するかという問題を構成論的な観点から多角的、総合的に研究することを目的とし、従来の文学・文化研究において、テクスト論、文体論、ディスクール論、メディア論などとして個別的に論じられてきた領域を、歴史的、社会的、文化的に現実化された言語の実現態として言語、社会、文化現象を相互的関係性のなかでとらえる言語態という概念を導入することにより総合的に見直し、さらにそれとメディアの変容との関わりを問題化することにより、メディアと言語共同体の文化社会研究をめぐる新しい学問領域の確立を目指すものである。 初年度は言語態という視点からメディアの変容と言語共同体との関係を研究するための方法論、問題系の確定などを中心に議論が進められ、さらに具体的研究課題として口承、書承、混成言語による文学の成立、メディア変容と言語文化複合を集約的に経験してきた言語共同体としてのクレオールの問題等がとり上げられた。次年度はより体系的な研究の確立のため、基礎理論研究においては言語態理論の開発に向けて理論研究が進められ、特にフランス国立図書館所蔵の未刊行資料の検証を中心にミシェル・フーコーのディスクール理論と言語態理論との比較研究の推進、さらに活字メディア文化圏の生成と終焉をめぐる総合的パースペクティヴの理論化などにおいて研究成果をあげることができた。応用調査研究としてはアメリカ合衆国、オーストラリア、中国などの各地域における文化的展開とメディアとの関わりの検証が進められ、新研究領域としてのメディア文化圏論への展望をうち出すことができた。最終年度はこれらの研究成果をふまえてさらに理論的研究を進める一方、応用研究においてはメディア文化史と地域的特殊性の問題、マラルメにおける書物性という概念について、バフチンの言語・イデオロギー理論と旧ソ連のイデオロギー形成期における活字メディアの役割について等、多岐にわたるテーマで各分野の専門家による調査・研究の成果が発表された。一連の研究発表を通じて本研究の有効性及びその対象とすべき課題の複数性、複層性とそれらを総合的にとらえる視点を提供する理論的基盤の確立の重要性が確認された。ナチズムやファシズムの言語態的分析、活字以外のメディアをも含めたメディア理論の開発など、引き続き検討していくべき課題も提示され、研究の継続の必要性が確認された。なお現段階での研究成果については近日中に出版することが決定した。
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