研究分担者 |
高橋 美樹 慶應義塾大学, 商学部, 助教授 (30197181)
渡辺 幸男 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (00158669)
伊藤 公一 千葉商科大学, 商経学部, 教授 (20095417)
山田 基成 名古屋大学, 経済学部, 助教授 (10158222)
松永 宣明 神戸大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (80127399)
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研究概要 |
前年度の企業訪問を行い,研究組織全員の情報共有をもとに,各研究分担者が各自の立場からそれぞれの研究を行い,それぞれの研究を行った。これらの研究は3回に渡る研究会を通して,お互いに報告しあい,それぞれの研究結果を検討した。その結果,ベンチャー企業の創設は,置かれている状況によってかなり異なること,したがって各地域の特性や創業地域の特性を明確にしなければならないことが明瞭になった。それに加えて、ベンチャー企業の創設を促すには、事業に伴う企業破綻のリスクに対する対処が不可欠であるという認識が高まった。また,各地域が行っている官による支援が大きな影響を与え,各地域の創業状況に著しい影響を与えることから,成果報告書では,まず,小川がわが国全体の施策を概観し,企業のイノベーションが創業をいかに促し,それを中小企業政策にどのように結びつけるかに関する報告を高橋がまとた。中小企業が技術開発する場含,提携もこれからの重要課題である。そこで,これに関する研究成果が港によってまとめられた。同様に,創業支援というと,工業が中心になるが,商業における重要性も指摘され,向山はベンチャー・マーチャントなる新しい見方を提案し,商業におけるこの課題の重要性を明瞭にした。本研究の成果の1つは地域特性が創業に与える大きな影響が明確になったことであるが,これに関して,渡辺が企業城下町という特別な状況で,大企業との関係で,中小企業の創業がどのようにして行われるかをモデル的に示し,山田は中部地域における創業支援体制が創業にどのように影響しているかを報告している。さらに,参考になるケースとして,松永は中国に事情を調べ,わが国と対比して創業支援のあり方を示唆した。最後に,古川は企業破綻のリスクに対するわが国の体制の不備をして,その適切なシステム構築が創業を促すことを示唆した。 これらの多彩な研究成果は、本研究が掲げた中小企業創業に対する「総合的研究」にふさわしい都考えることが出来よう。
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