研究課題/領域番号 |
09440011
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊原 康隆 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (70011484)
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研究分担者 |
辻 雄 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (40252530)
望月 新一 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (10243106)
玉川 安騎男 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (00243105)
松本 眞 九州大学, 大学院・数理学研究科, 助教授 (70231602)
中村 博昭 東京都立大学, 理学部, 助教授 (60217883)
斎藤 盛彦 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (10186968)
斎藤 恭司 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (20012445)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
1999年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1998年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1997年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 基本群 / ガロア群 / 射影直線マイナス3点 / Grothendieck-Teichmuller群 / ベータ関数 / ガンマ関数 / 安定微分環 / 円分体の整数論 / 絶対ガロア群 / 射影直線マイナス3点の / 円分体のアーベル拡大 / 整数論 / Soule元 / pro-p基本群 |
研究概要 |
体k上定義された絶対既約な代数多様体Xの代数的基本群π_1(X)は、kの絶対ガロア群G_k=Gal(k^^-/k)のX^^-=X【cross product】k^^-の代数的基本群π_1(X^^-)への外作用を引き起こす。研究代表者伊原は、k=Q(有理数体)でX=P^1-{0,1,∞}(射影直線マイナス3点)のときのこの外作用の数論的側面の研究を進めた。この場合、π_1(X^^-)は階数2の自由副有限群F^^<^>_2と同一視でき、G_Qはそれに忠実に作用するのでF^^<^>_2の自己同型群AutF^^<^>_2の部分群と見なせるが、AutF^^<^>_2自身よりはかなり小さく、更にそのGT(Grothendieck-Teichmuller群)とよばれる部分群にも含まれる事が知られている。G_Q⊆GT.実際これらが等しいか否かはまだ分っていないが、G_Qの元は満し、GTの一般の元が満すかどうかは疑問であるいくつかの条件が研究され始めている。[1]は、まずGT自身のF^^<^>_2の最大メタアーベル商への作用を表現する(アデール的)ベータ関数とそのガンマ分解の理論を完成させた。これは、それ迄の伊原とG.Andersonの研究を継承するものである。この中で示された、σ∈GTがG_Qに属する為のある数論的条件(古典的ガンマ関数のガウスの分割公式の類似)が、より基本的な数論的条件(Kummer的指標の性質)や幾何的条件(X^^-の巡回被覆がX^^-へのうめ込み射も有するという事情の反映)と如何に関わっているかが[2]でかなりの程度、解明された。 また[3]では、各素数pに対してF^^<^>_2の最大pro-p商F^<(p)>_2へのG_Qの作用φ^<(p)>の数論的性質が次の2つの対象との関連に於て研究された。 (i)円のp巾分体 (μ_<p∞>)の最大アーベル拡大 (ii)安定微分環。 (i)は、φ^<(p)>の核と対応する (μ_<p∞>)のガロア拡大の中で (μ_<p∞>)上アーベルなものがどのくらい大きいかを問うものであり、(ii)はGTの" 上のgraded Lie version"とでも呼ぶべきもので、φ^<(p)>の像の大きさを計る為にも極めて大切なものである。[3]の主要点は(i)(ii)の間の密接な関係の解明と、pがirregular primeのとき大変面白い現象が起こることを数値実験により見出した(研究分担者:松本の計算を使う)ことである。 この他、松本、中村、玉川等の研究(文献表参照)も特に密接に関連している。
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