研究分担者 |
柳川 浩二 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40283006)
並河 良典 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80228080)
宮西 正宣 (宮西 正宜) 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80025311)
鈴木 貴 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40114516)
川中 宣明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10028219)
小川 裕之 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70243160)
磯崎 洋 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90111913)
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研究概要 |
当該基盤研究の顕著な研究成果はcomponentwise linear idealの概念の導入とその基礎理論の樹立,並びに,単体的複体のgeneric initial idealをsquarefree単項式イデアルの範疇で捕えその組合せ論への具体的かつ効果的な応用を遂行したことである.第1に,我々は「単体的複体Δに付随するsquarefree単項式イデアルがcomponentwise linear idealとなるためにはΔの双対複体が数列的Cohen-Macaulayとなることが必要十分である」を示し,数列的Cohen-Macaulay単体的複体とそのh-三角形の代数的意義を解明した.第2に,計算可換代数で盛んに研究されているgeneric initial idealの理論を踏まえ「多項式環の斉次イデアルIについて,Iとそのgeneric initial idealの次数付ベンチ数がすべて一致するためにはIがcomponentwise linearとなることが必要十分である」を証明し,計算可換代数においてcomponentwise linear idealの果たす本質的な役割を明確にした.第3に,古典的な有限集合の組合せ論における最高峰に位置するKruskal-Katona定理を多項式環におけるsquarefree単項式イデアルの次数付ベッチ数列の枠内で捕え,その代数的一般化を樹立するための研究を推進させ,squarefree単項式イデアルのgeneric initial idealの次数付ベッチ数列と同一の次数付ベッチ数列を持つ強安定なsquarefree単項式イデアルの存在を証明し,懸案の予想「固定したHilbert函数を持つsquarefree単項式イデアルについて,その次数付ベッチ数は対応するlexsegment idealのベッチ数を越えない」を肯定的に解くことに成功した.
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