研究課題/領域番号 |
09440032
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
幾何学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
榎 一郎 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20146806)
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研究分担者 |
満渕 俊樹 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80116102)
長瀬 道弘 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70034733)
臼井 三平 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90117002)
高橋 智 大阪大学, 大学院・理学研究科, 講師 (70226835)
作間 誠 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30178602)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
1999年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1998年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1997年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | ケーラー多様体 / 変形 / 代数多様体 / 複素構造 / デイラック型作用素 / 擬等角写像 / ディラック型作用素 / L^2評価 / 森理論 / 倉西空間 / 直線束 |
研究概要 |
コンパクトケーラー多様体が、射影代数多様体まで変形可能かどうかは、小平の埋め込み定理と複素構造の変形理論、特にケーラー多様体の変形安定性定理、の出現以来、すなわち、1960年代以来の問題であった。小平の埋め込み定理により、コンパクトケーラー多様体は、有理周期をもつケーラー類を持てば、射影代数多様体である。また、ケーラー多様体の変形安定性定理により、コンパクトケーラー多様体の複素構造を微少変形させても、再び、ケーラー多様体となる。このとき、ケーラー類も連続に変形させることができ、その周期も連続的に変化する。そこで、うまく変形させれば、ケーラー類を有理周期をもつように変型できる。すなわち、コンパクトケーラー多様体を射影代数多様体に変形できるのではないかと、多くの人が考えた。しかし、この複素構造の微少変形によるケーラー類の周期の変化を調べるアプローチは、成功していない。 我々は、上述の問題に対し、直接的なアプローチを試み、成功した。まず、コンパクトケーラー多様体から複素射影空間への、正則に十分近いC^∞埋め込みを、C^∞直線束係数のDirac型作用素の解を用いて構成する。次に、この埋め込みの像が複素射影空間の複素部分多様体であることを示した。この埋め込み写像が、研究課題にある高次元擬等角写像である。さらに、この埋め込みの像が、元のケーラー多様体の微少変形になっていることを示した。 さらに、我々の証明は、ケーラー類に収束する有理周期コホモロジィ類の列が、このケーラー多様体に収束する射影代数多様体の列上の有理偏極(の列)の微分同相写像による引き戻しとして得られる十分条件を与える。特に、変形剛性をもつコンパクトケーラー多様体は、Picard数が最大の代数多様体であることが、解った。
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