研究分担者 |
岩崎 克則 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (00176538)
浅本 紀子 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (90222603)
吉田 裕亮 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (10220667)
高山 信毅 (高山 信穀) 神戸大学, 理学部, 教授 (30188099)
木村 弘信 熊本大学, 理学部, 教授 (40161575)
三宅 正武 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (70019496)
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研究概要 |
1.合流超幾何微分方程式で定められるD-加群の射影分解の計算,解複体のコホモロジー群の計算について,高山の計算代数解析ソフトKanが与えてくれたD-加群の射影分解からヒントを得て,結局はKoszul複体的な発想である一群のD-加群の射影分解を一般的に与えるアルゴリズムを得,正則関数の芽の層,形式べき級数の芽の層,Gevrey評価付きの形式べき級数の芽の層,に値をとらせた解複体のコホモロジー群の計算もn変数の場合にできた. 2.合流超幾何関数のパラメータが特殊なものと一般エアリー関数との関係が明らかになり,(多変数)一般エアリー関数の変数を制限したときの漸近挙動が分かるようになってきた. 3.多変数関数の漸近解析における消滅定理の構成を用いて,多変数の非同次偏微分方程式系の発散解に関する近似公式が得られた. 4.漸近解析における消滅定理の応用としては,有理接続に伴う複体のコホモロジーに関する同型定理がある.Asymptotic Analysis for Integrable Connections with Irregular Singular Points, Lecture Notes in Math.1075, Springer-Verlag, (1984)の第4章に示しておいた同型定理を多少翻訳することにより,特異点では平坦な無限回微分可能な関数の芽の層に値をとらせたコホモロジー群とも同型であることが言え,それを基礎とし,リーマンの周期関係式の類似として,ベッセル関数に関するLommelの公式やガンマ関数の相補公式などの拡張を意味する合流超幾何関数に対する2次関係式を導出する理論を構成した.
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