研究分担者 |
野口 潤次郎 東京大学, 数理科学研究科, 教授 (20033920)
岩瀬 順一 金沢大学, 理学部, 助手 (70183746)
石本 浩康 金沢大学, 理学部, 教授 (90019472)
泊 昌孝 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (60183878)
児玉 秋雄 金沢大学, 理学部, 教授 (20111320)
高信 敏 金沢大学, 理学部, 助教授 (40197124)
森下 昌紀 金沢大学, 理学部, 助教授 (40242515)
菅野 孝史 金沢大学, 理学部, 教授 (30183841)
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研究概要 |
研究代表者藤本を中心として,複素解析学及びその関連諸分野の研究者が,共同研究集会・研究連絡・文献交換等を実施し,他大学の研究者との交流も密にして,各々の分野において多大の成果を治めた. 藤本は,C^nからP^N(C)への有理型写像の値分布論性質を研究し,その成果として,以下の様な新しい結果を得た.3N+1個の一般の位置にあるP^N(C)内の超平面H_jに対し,C^nからP^N(C)への写像fで.その(2で頭打ちされた)重複度を込めて考えた逆像f^<-1>(H_f)が,あらかじめ与えられたものに一致するようなものは,高々2個しか有り得ないことを示した.また,十分大きな正整数loをとれば,一般の位置にある2N+2個の超平面に対し,loで頭打ちされた重複度を込めて考えた逆像が互いに一致するようなC^nからP^Nの二つの有理型写像は,代数的に退化することを証明した.この他にも,有理型関数に対する一意性集合,即ち,複素平面上のふたつの非定数有理型関数f,gがf^<-1>(S)=g^<-1>(S)を満たせば,かならずf=gとなる様な離散集合Sについて考察を深め,有限集合が一意性集合となるための新しいタイプの十分条件を与えた. 研究分担者児玉は.境界が滑らかとは限らない一般複素楕円体の特徴づけの問題を研究し.藤解は,有理型関数を係数に持つ斉次線型常微分方程式の代数型解の値分布論に取り組み,森下は,等質空間上のアデール幾何学を究め,いくつかの新しい結果を得た.また,野口は,正則曲線のラングの予想を準アーベル多様体に対し証明し,石本は,ボアンカレー予想の初等多様体への拡張に関する研究を行って,初等多様体のホモトピー分類を行い,菅野は,テータ関数の空間を準局所的に定式化し,その既約分解を与えて,その応用として,アイゼンスタイン級数の原始的テータ関数による展開を明示的に求めた.
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