研究課題/領域番号 |
09440071
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
西浦 廉政 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (00131277)
|
研究分担者 |
柳田 達雄 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (80242262)
小林 亮 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (60153657)
津田 一郎 北海道大学, 理学研究科, 教授 (10207384)
上山 大信 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20304389)
坂元 国望 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40243547)
新居 俊作 Saitama Univ., Department of Math., Inst. (50282421)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
1999年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
|
キーワード | 自己複製パターン / パターン形式 / 反応拡散系 / パルス相互作用 / 分岐 / カオス / 多谷構造 / 遷移ダイナミクス / 反応拡散方程式 / 極限点の整列階層構造 / 界面ダイナミクス / グレインバウンダリー / 分岐解追跡ソフトウエアー |
研究概要 |
1)自己複製パターンを大域分岐の立場から明らかにした。サドル・ノード分岐点の階層構造が自己複製ダイナミクスを駆動している。一般に遷移ダイナミクスはどのような数学の枠組で記述できるか明らかではなかった。AUTOを用いた実験数学的手法により、無限次元空間での分岐解の枝の全体と自己複製パターンの軌道の幾何的関係が決定的役割を果していることがわかった。 2)Gray-Scottモデルの時空カオスの出現と消滅の理論的予測ができることが明らかにされた。大域的な秩序解(定常解や進行パルス解)の枝全体の成す構造がその判定に大きく寄与する。無恨次元空間で複数のパターンを経巡るヘテロクリニック軌道の存在位置が出現点となる。これを摂動することにより時空カオスが現れる。これは有限次元におけるホモクリニックの絡みによるカオス出現と対応する。 3)パルス相互作用により十分離れた局在パルス解の運動を記述することは可能である。パルスが自己分裂する初期にはサドル・ノード分岐点が深く関与しており、その点の近くの運動に対しても不変多様体を構成し、常微分力程式系に帰着することができた。AUTOから得られる知見を合わせて、自然な仮定の下で、自己複製パターンの全貌を記述できた。 4)分岐解追跡ソフトウエアーAUTOは元々常微分方程式系に対して開発されたものであり、直接、偏微分方程式系に適用するには問題がある。単に未知数が非常に多くなるという以外にパターン形成の立場からは空間方向の情報をインタラクティブに見ることができないと現実的に探索はできない。解あるいは固有関数の形状を常に見える形にし、偏微分方程式に適した追跡ソフトを開発した。 5)多谷構造の存在を非局所項をもつ1次元4階保存系の方程式に対して示した。これは共重合ポリマー系におけるモデル方程式を含み、その最小解は微細構造をもつことも厳密に証明された。また4階と2階の方程式のスペクトル比較定理も得た。 6)離散型反応拡散系においてカオス的に振舞う局在パルスの存在を数値的に示した。複数のカオス型パルスは相互作用により、2個のパルスからなる定常周期解(分子状態)を形成することも発見された。分岐論的にはこれらは定在パルス、あるいは進行波パルスからホップ分岐を経て、カオス型に変遷していくことも確認された。
|