研究分担者 |
杉田 洋 九州大学, 大学院・数理学研究科, 助教授 (50192125)
長井 英生 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (70110848)
楠岡 成雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (00114463)
李 寿梅 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (00304874)
三苫 至 佐賀大学, 理工学部, 教授 (40112289)
三苫 至 佐賀大学, 理工学部, 教授 (09640279)
半田 賢司 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (10238214)
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配分額 *注記 |
8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
1999年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1997年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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研究概要 |
従来のファジィ値確率変数の収束定理の研究は,レベル集合がコンパクトの場合が主流であった.これは凸なコンパクト集合の全体を双対空間の単位閉球上の連続関数の空間に埋め込みその上の解析に訴えるという手法に起因するが,応用上も理論上ももの足りないものがある.これを拡張して,より広い範囲のファジィ値確率変数について収束定理を得るのが本研究の目的である. コンパクトの制限を外すのには二つのことが考えられる.一つは有界であるがコンパクトでない場合で,これは基礎の空間が無限次元であることによって起こる.もう一つは有界でない場合で,これは有限次元の場合でも起こる.前者の場合に先ず問題になるのは,Aumann積分の閉集合性である.Aumann積分は集合値およびファジィ値確率変数の研究においては基本的なもので,こらが一般には閉集合にならないことは知られていたが,閉集合になる為の良い十分条件は知られていなかった.本研究では,基礎の空間が反射的なバナッハ空間ならばその上のAumann積分が閉集合となることを得た.次に,前者と後者に共通する問題として収束の概念の改良を行った.従来の研究では,ファジィ値確率変数を単純にレベル集合の集まりと考え位相を入れていたが,これでは直感的な収束と異なることが屡おこる.そこで本研究では,より直観に適合しているグラフ収束の概念を導入して,種々の極限定理を整備した.更に,確率変数の収束で理論的に何時も問題になるのが可分性であるが,これについても一応満足できる定理を得た. 以上のような基礎理論の整備のもとに,それらの応用として多くの収束定理を得たり,それらの大きな改良を行ったが,その項目並べると,大数の法則,マルチンゲールと優マルチンゲールの収束定理,マルチンゲールの正則表現定理,任意抽出定理,確率変数の近似定理,ガウスファジィ確率変数の表現定理となる.
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